サンタクロースの行方

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サンタクロースの行方

e862c14d-bd30-45e1-a9a4-d6921260fc30 カノカの登場とともに窓のカーテンが自動で開く。赤坂の夜景とライトアップされた東京タワーが一望できる。 シュー! 空気の乾燥を防ぐ蒸気もセンサーで必要な分だけ放出されている。 心なしかあまい香りが漂う。 「はじめまして。和來 花果(かずき かのか)です。」 「ワシがかめツリーじゃ」 「すぎもんサンタよ。」 「ウルフ刑事です。」 「刑事さんなんですか?」 「ええ、ただ今回は刑事として来た訳ではありません。クリスマス商会の役員としてです。」 三人の挨拶が済んだところで、お腹の出た作業着を着たおっさんが、いきなり事務所のドアを開けて入って来た。 「カノカ〜!断れ〜!そんな怪しい奴ら〜!何処のウマの骨かもわからんような奴らの頼みなんか断れ〜!」 「ひろ叔父さん!なんですか、突然入って来て。」 カノカは少し頬を赤らめて怒鳴る。見られてはならないものを見られた様子だ。 「ひろ先輩!」ウルフ刑事が咄嗟に叫ぶ。 しかし、ひろ叔父は 「誰じゃ?わしゃ知らんぞ。誰かと間違えておるんじゃろ。」 「うーん、言われてみればひろ先輩はもう少し痩せていて、若くてハンサムです。」 「うるたーい!カノカ〜!はやくこいつら追い出せ〜!」 「報酬は100億円よ。」すぎもんサンタは声も可愛い。 ひろ叔父の態度が一変する。最大限に感情を殺した声で… 「カノカ!この方々のご依頼を全力でお受けしなさい!」 ひろ叔父はそれだけ言うとツカツカと去って行った。 d04096cc-46c4-4d7a-993d-05cba843a6dd 「なんじゃ、アイツはアホか!」 と、かめツリー🌲はしっかりツッコミを入れていた。
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