サンタクロースの行方

3/5
前へ
/16ページ
次へ
カノカの頬が少し上気する。 「優しいってなんの事ですか?」 「その前に、ひとつ質問してもよろしいですか?」 「はい。」 質問への質問返しだ。つい受け入れてしまうところに、カノカの人柄の良さが滲み出る。 「もし、世界中のかわいいこどもたちに、クリスマスのプレゼントが届かなかったとしたら…」 「ぴえーん!。・°°・(>_<)・°°・。」 カノカはすでに号泣している。 ウルフ刑事が念を押す。 「引き受けてくれますよね。」 「ぴえん🥺ぴえん🥺やりましょう!やりますやります。世界中のかわいいこどもたちにクリスマスプレゼント🎁届けます!なにがなんでも!」 c03012a7-98f1-44bd-a813-fa5358bc6539 「やっぱり私の目に狂いはなかった。あなたの優しさは群を抜いている。」 ウルフ刑事は声もめちゃイケボだ。 キュイーン! カノカグループのトップ3に緊急事態応急対策メールを発信する。 応接室のオーク材の壁がスライドすると大きなモニターが現れる。 モニターにはすでにカノカグループのトップスリーが顔を揃えていた。 法隆寺で若い僧侶たちに囲まれ、湯豆腐を食すsarasara♪嬢 「やだやだなによ。緊急事態ってぇ!あたしは今忙しいんだから〜!あっつい。ふは。やっぱり冬は湯豆腐よねぇ!今はどこにいてもすぐに捕まっちゃうわねー!リモートってきらい!」 室内温水プールにイケメン100人と水着で入浴中のぷー姉。 「なんなの〜!これからメンズたちと水球ラグビーやるとこだったのに〜!」 チェスの世界大会決勝に出場中のガブリエルくん。通称ガブちゃん。 「チェックメイト。ちょうど良かったよ。今勝負がついた。また優勝しちゃったよ。なんだか申し訳ないね。今年はコロナの影響で、この勝負もリモートで行われているんだよ。なにかあったの?カノカ。」
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加