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「ねえ、そういえば真島さんって何才?独身?」
ふと思い出した。
朋花さんにはまだ聞けなかった疑問。
「なんだ?いきなり」
「うん、ちょっと気になることがあって。わたし真島さんとは今まで余り接点がなかったから」
は?と貴くんの眉間にしわが寄る。
「あ、男性として興味があるわけじゃなくて。朋花さんと妙に親しそうな空気感出してたからもしかしたらなんて思っただけよ」
ああ、と貴くんは頷いて情報をくれる。
「確か40になったばかりだと思うぞ。でバツイチ。今は独身。秋野のデビューの頃はマネージャーやってたからその妹とも知り合いってことでおかしくはないだろう」
ふむふむ。
朋花さんとは一回り以上違うってことか。
真紀さんのマネージャーさんか。なにか濃密な何かを感じたんだけどな。
それに、昨日の夜、朋花さんと話をしていた時に、気になる人はいるけれど、その人から見て自分は対象外だって言ってた気がする。ただの知り合いで会おうと思わなかったら会えないって。
それ、真島さんのことなんだろうか。
うーんと考えていると小さく舌打ちされた。
え、なんで舌打ち。
「今は人の心配より自分のこと考えろよ」
「私の?貴くんの?」
「あほう、お前のだ」
あほう、と言われてうっと言葉につまる。確かに今の私はご迷惑をおかけして他人の心配してる場合ではありませんでした。
「俺たちの結婚、発表しようと思うんだ」
「--いいの?」
このタイミングでってことなんだろうか。
「いい、っていうか発表したい。いいか?」
私の目の奥を探るような目でじっと見られる。その先にも何か言いたいことがありそうだ。
「私はもちろんだけど・・・他に何か?」
「お前の映像も出そうと思う」
貴くんの様子を見て本気だと思った。冗談じゃなくて、私の映像。
「貴くんが必要だと思って、それがタカトのためになるんなら・・・いいよ。でも、どんな映像を出すつもり?」
「明日のライブで結婚を報告しようと思う。そこで今夜果菜を助けてくれたファンに向けて礼を言いたいんだ。3日間限定でファンクラブサイトであの流出した映像を再編集したものと、先日のツアーの写真撮影で使わなかった俺と果菜のオフショットもつけようと思う」
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