有料マッチングアプリその1

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有料マッチングアプリその1

 ひとつの有料のマッチングアブリをダウンロードしてみた。無料のものに比べて、プロフィールを書く欄が多く、このアプリのプロフィールの書き方指南を参考にして空欄を埋めていった。  趣味の欄になり、あらためて趣味を聞かれると何だろうと思った。好きな『パチンコ』や『競馬』は、書けないし、困った。 「さすがにギャンブル関係はだめだな…」  書き方指南を読むと共通の趣味は大切で、コミュニケーションのひとつになるので、趣味の内容は重要だと書いてあった。  あっという間に昼休みは、終わってしまったので、プロフィール欄は全部書ききらなかった。  午後の仕事中にも趣味について考えていた。そして、隣の席の仲良い同僚に聞いてみた。 「なあ、俺の趣味って何だろう?」 「何?…急に」 「いや、趣味を聞かれて…」 「えっ、誰から?女か…」 「まあ…」 「おまえ、パチンコと競馬じゃね…」 「…だよな…」 「あと、キャパとか…」 「それは…そうか…」  やっぱり、ろくな答えは帰ってこなかった。確かに男同士で遊びにいくことが多いから、パチンコや競馬で、儲かればキャバクラや風俗で女の子と遊んでいれば満足だった。  彼女なんてすぐ出きるからと勝手に思い、出来たら縛られるから今のうちに遊んどこうと思っていた。  思い返せば、普通の女の子とは、会社の女の子とランチするぐらいで、二人きりデートなんてほとんどしてなかった。 「数年前に派遣の女の子数人と遊園地に連れていかれたな…」  そのうちの1人の派遣の女の子が俺に好意をもっていたとかで、俺は、全然気がつかず、他の女の子を意識していた。  その好意を寄せていた女の子が会社をやめる時に何か、急に泣かれたのも思い出した。周り女子から冷たい視線も受けた。 「あの時は、本当、焦ったな……」  本当に恋愛をおろそかにしていた事を痛感した。そう思うと何か、やる気が出てきた。  そこで、女性の意見を聞こうと思った。割合、同僚女子でも話しやすい『長谷川』の席にカモフラージュに書類を持って、ゆっくり歩いていった。 「なあ、長谷川…今、大丈夫か?」 「何、何か急ぎの用事ですか?」 「いや、ちょっと聞きたいことがあって…」 「どうぞ、何ですか?…」 「女性が…好きな男性の趣味ってなんだ?」 「突然ですね…旅行とか、食べ歩きですかね…一緒に趣味を共有出来るって、良くないですか?…」 「やっぱり、そうなんだ…」  長谷川は、仕事の手を止めて話しを聞いてくれて、自分の意見を言ってくれた。
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