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ふと目を醒ませばただ白一色の空間に僕は浮いていた。突然声が聞こえて来た
神『気がついたようだね。大河璃久君』
璃久「貴方は?ここは何処?何故僕の名前を?」
神『私は君達からは神と言われている。ここは私の居る空間かな(笑)』
璃久「神様?っていう事は、僕は死んだっていう事なのか?それとも悪い夢?なのか?」
神『先に謝らないとな…大河璃久君。こちらの手違いで君はここにいるんだ、申し訳ない』
璃久「えっと…それはどうして…神様なら元の世界に戻してくれないの?」
神『それが出来れば君は此処に来る事はなかった』
璃久「戻れないの?僕はどうなるの?」
神『それなんだがな…君達地球では異世界等と言う言葉があるじゃろう、そこで君が生きるはずの残りの人生を歩むというのはどうじゃ』
璃久「はっ!異世界ですか?ファンタジーな小説とかゲームみたいな所…?」
神『そうだよね…困るよね。でもそうでもしないと君の魂は輪廻の流れにも乗れず、この空間に閉じ込められたままになってしまうんだ。ほんとにこちらの手違いで迷惑をかけて申し訳ない。その代わりと異世界で君が困らないように、色々能力を付けてあげるからそれで許してくれないかな?』
璃久「色々能力って言われてもなぁ~どんな世界か解らないのに…何が欲しいなんて解らないのに…」
神『そうじゃなぁ~能力は全てにおいて高くしておく、後は案内係というナビゲーターを付けてあげるという事でどうじゃ?』
璃久「う~ん?でもまるっきり違う世界なんでしょう?食べ物も違いますよね?不安だよね…」
神様『そうじゃなぁ~食文化は違うなぁ~そうじゃ!そこはこれから君の行く世界に有る物を使うことで作れる物なら、ナビゲーターが相互の知識を教えてくれる…それを君が作れるようにしようか、創造魔法という能力で対応出来るようにしておこう!』
璃久「それは食べ物以外でも其所に有る素材を使えば作り出せるという事?って、何もかも自分で作らないと駄目って事?」
神『そこは仕方ない事じゃろう…君のいた地球とはまるで違う異世界文化だからなぁ~。ただ君の知識が有ればこの先行く世界にとって多少は意識改革が出来るかもしれんなぁ~』
璃久「意識改革ですか?」
神『そう…難しく考えなくても良い。君の望む物を作れば良い、それを廻りが受け入れるかどうかじゃろう。少しばかりイレギュラーな生き方になるじゃろうが君らしく生きて欲しい』
璃久「僕らしくですか?そうですね…僕は僕でしかないですね。何とか僕らしく生きてみます」
神『そうじゃ…君らしく生きて欲しい。では健闘を祈る』
そうして僕の意識は薄れて行き着いた先は森の中だった。
?『ねぇ…起きてよ』何かが僕をトントンと叩いている、僕は意識を取り戻すと目の前に2等身のヌイグルミのような男の子が浮いていた。
璃久「君は誰?」
?『僕は君のナビゲーター。名前は無いんだ…君がつけてくれるかな?』
璃久「うぅ~んと…僕のナビゲーターをしてくれるの君が?名前ねぇ…そうだなぁ…シルなんてどうかな?」
?『シル!僕の名前が「シル」良いね。ありがとう。所で君の名前はリク-タイガで良いんだよね!』
璃久「うん。僕は璃久だよ…これからよろしく頼むね!シル」
シル『勿論よろしくだよリク。先に言っておくけど僕の事はリクにしか見えないし声もリクにしか聞こえてないからね。僕と話すときは頭の中で考えてくれれば良いからね。』
璃久『そうか…頭の中で考えた事がシルには伝わるって事?えぇ…僕のプライバシーが無くなるの?何だか嫌だなぁ~』
シル『リク!心配しなくて良いよ、僕の名前を呼ばない限りはリクの頭の中は読まないからさ(笑)』
璃久『そうか…って言うほど安心出来る事でも無いような気がするけど仕方ないか…シルがいてくれないと、どうして良いか解らないことばかりだよね…きっと…』
シル『リク!不味い魔物が右100mから近付いてくる』
璃久『えぇ~!どうすれば良いのシル!』
シル『リクは弓矢を使える?』
璃久『ボーガンでもいい?』
シル『リク!頭の中にボーガンを思い浮かべて!』
璃久『えっと!こうかな?あっ!手の中にボーガンが有る』
シル『そろそろ魔物が見えるから頭を狙って矢を撃って!リク』
璃久『えぇ~と光の矢でも良い?』
シル『勿論!さあ速く撃ってリク』
璃久『頭を狙ってシュン…当たったよ!シル』
シル『中々良い感じだね。リク後はこの剣で頭を落として、剣に水を纏うイメージをして見て』
璃久『えっと…剣に水を纏うイメージかぁ~こうかな?えいっ!あっ!切れたよシル』
シル『そうしたら収納と言って、それから解体と念じてみて!リク』
璃久『収納…解体…これでいいの?シル』
シル『上出来だよリク!リクは全部の魔法が使えるんだよ!だけどこの世界で全魔法を使える事は知られない方が良い。さっき使った光魔法は人前では使わない方が良いよ!教会に目を付けられるからね!無と火と水と風と土なら大丈夫かな!後は属性に雷と植物を追加しておこうかね。リクは魔力も多いから先ずは魔力のコントロールを覚えないとだね』
璃久『そうなの?でもどうすればコントロール出来るの?』
シル『先ずは魔力と魔法の知識をリクに送るね。どう理解出来そうかな?』
璃久『あっ!そう言う事か。うん何となく理解した…えっとこれが魔力の流れなのかな。先ずはここが魔臓でここに魔力を集めてう~ん必要な分だけを動かすのか!先ずは基本の魔力玉を掌の平で作ると…こんな感じかな?』
シル『リク良い感じだね!もう少し魔力を抑えてみて!』
璃久『もう少し少ない量でか…こうかな?もう少し小さくなりそうだな!どうかな?シル』
シル『それで良いよ!リク。あっ!魔物がまた来た…今の感じでさっき使ったボーガンで頭を狙って矢を撃ってリク』
璃久『分かったよ!シル。今度は水を矢のようにして…えいっ!もう一度同じように…えいっ!倒したかな?』
シル『良い感じだね。リク、一応頭を落としてから収納と解体しておこうか』
璃久『分かった!シル…でもこのやり方はシルと2人の時しか使えないよね』
シル『そうだね…リク。次は薬草や植物の知識を送るね』
璃久『わっ!結構膨大な量だね…この辺りは薬草の宝庫だね。採取しようかな』
シル『種類別に収納の中で分けるから、リクは採取の仕方を意識してくれるかな!このナイフ使って良いよ』
璃久『ありがとうシル。えっとこの位にしておこうか。次ぎまた増えてくれないとだしね(笑)』
シル『そうだよ!リク次は木の実や果実も採ろうよ』
璃久『シル!結構高い位置だよね…』
シル『リクなら大丈夫だよ!元々身体能力かなり高いからジャンプして太めの枝に跳び乗れる(笑)』
璃久『分かった!やってみる…わぁ~躰が軽々と動く…これが能力なのか。よしあっこの木の実は美味しそうだね、あっちの枝に跳び乗れるかな?えぃっ!この果実も美味しそう』
そうしてリクは木の上を移動しながら色々な木の実と果実を次から次へと収納しながらシルが地上の薬草や茸に果実が有ると声をかけ、リクは地上に降りまた薬草等を集める作業を繰り返しながら森の中を移動していた。
シル『リク!そろそろ休憩しないか!この先に湧き水の沢が有るからさ』
璃久『そういえば…何も食べてなかったね。喉も渇いたよね…所で…シルは食事ってするの?』
シル『僕は基本食事をしなくても生きて行けるけれど、リクが食べる物には興味が有るから食べたいな(笑)』
璃久『そうなんだ…僕の食べる物には興味があるのか?』
そんな会話をしながら湧き水の沢に辿り着きシルが出した大小の水筒に湧き水を汲み終わるとシルが示した場所に土魔法で竃を作った璃久は途中で倒した兎のような魔物の肉に香草をまぶして枝に刺して焼いてみた。
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