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璃久は久しぶりにのんびりと過ごしている。シルもずっと璃久と行動を共にしていた事で、疲れとは言わないのだろうがベッドでゴロゴロしている事を楽しんでいるようだ。そろそろお昼ご飯かなとシルを見るとシルはこっちを見て…
シル『ねえ…リク!少し外に出ない?まだ町を全部見てないじゃない?』
璃久『そうだね…覗いて無い店もあったしね…散歩がてらお昼ご飯を食べようか?』
シル『そうしようよ…リク』
璃久とシルは昼頃に宿を出た。町をブラついていると、雑貨屋があったので店に入って見ると、璃久の目に砂時計が目に入った。
シル『リク…多分5分計の砂時計だよ』
璃久『ちょっと欲しかったんだよね、砂時計…あっティーポットがある、それとメモ帳みたいな物も…買って来るね』
序でに乾燥野菜も売っていたので買い足した。店を出て市場の方に向かう。
シル『リクは市場好きだねぇ~』
璃久『だって市場を見ればこの町の生活が感じられるだろう…何となくだけどね、それに時々面白い食材を見つけられるしね(笑)毎朝いる人と多分偶にしかいない人とかね』
シル『それはそうかもね…それより昼は何食べるの?』
璃久『あはは…シルはホント食いしん坊になったね(笑)食べなくても平気だったんだろう?』
シル『まぁ~厳密に言うと食べなくても平気だけどさ…食べる事覚えたら、食べられないとお腹空いたと感じるんだよねぇ~人の姿にもなり易いしね(笑)』
璃久『へぇ~そうなんだ!所でシルは天使なの?聖獣なの?それとも堕天使ルシフェル?』
シル『えっ!…リク…なんん…で?気がついたの?』
璃久『う~ん…この星の神様からの案内人(ナビゲーター)って言って直ぐに用意される立場の人っていうのも変だけどさ…そんな存在なのかな?って思ったんだよね』
シル『ニホンの知識って凄いんだね…まぁ言えないけどもそんな存在なのかな(苦笑)なんであれリクを守るのが僕の仕事だからね…仕事じゃないな…リクは俺の友達で良い?』
璃久『もちろんだよ!シル…居てくれてありがとうね…友達でよろしく(笑)』
そうして璃久とシルは市場でマルレット(トマト)や葉物野菜類と豆類を数種類、根菜類を買う。
屋台に寄り薄切り肉と野菜を炒めた物とスープを買って宿に戻った。
宿に戻ると璃久は肉野菜炒めに少し胡椒と醤油をかけて味を整え、添えてマルレット(トマト)を薄切りにしてリーフ(レタス)をちぎり器に盛り付け小皿(木で作った物)にリーブ油と塩、醤油を良く混ぜた物とマヨネーズを用意してパンとスープで昼ご飯とした。
シル『いたっだきます』
璃久『マルレット(トマト)やリーフ(レタス)を小皿のドレッシングとマヨネーズに浸けてパンに乗せてもそのまま食べても良いよ』
シル『リク…何したの何時もの肉野菜炒めが美味しくなっている!えっまた違う味で食べられるの?何だか凄いご馳走だね(笑)』
璃久『野菜を余り食べて無かったしね、まぁスープには野菜入れてるけどね(笑)この町では塩揉み野菜がサラダみたいだったしな…これでご馳走かぁ~大袈裟だよ…シル。やっぱりもう少し大きな街に行ってみようかね?』
シル『そうだよね~ここは粗方見て廻ったからな…リクももっと色々見たいだろうしな』
璃久『本当はドワーフ達の技術にも興味があるんだけどね(笑)先ずはこの国全体を見たいかな?』
シル『そうだなぁ~リクが行きたい所なら何処でも良いぞ(笑)』
璃久『まぁ~もう少し勉強しないとだしね…のんびりとしたいね』
シル『リクは夢中になると時間を忘れるからな…のんびりは良いことだなぁ~』
そんな話しをしながら食事を済ませると、璃久は魔法薬の本を読み始めた。シルはそんなリクを見ながらベッドでゴロゴロしている
その頃ギルドでは少し不味い事になっていた。この町の男爵が面倒な依頼主なのだ、ギルドマスターの不用意な言葉でリク-タイガという青年の事がバレそうになっていた。ヘンリーとリーチュはリクにはこの町にいて欲しいと思っていたが彼を町から…男爵の手の届かない街へと逃がそうと決断していた。男爵は王都に返り咲きたくて、自分が利用出来る平民を奴隷のように使うことしか考えないような思想を持っている人なのだ。その為に潰された冒険者がどれだけ悲惨な状況になっている事は公には出来ない。ヘンリーとリーチュはリクの宿を聞いていたためそっと宿に尋ねて来た。
璃久「どうしたんですか?リーチュさんとヘンリーさんまで、何かありましたか?」
リーチュ「リク君…ごめんね…これ昨日の依頼料」
ヘンリー「リク君、君のことがギルマスの不用意な言葉でバレそうになっている、これ以上この町にいない方が君の為なんだよ。この国全体の地図を持って来たよ…出来れば北東の何処かの街に向かった方が良いと思うよ。男爵の手も届かないはずだから…申し訳ない」
璃久「気にしないで下さい…僕もやはり旅に出たいと思い準備していましたから(苦笑)リーチュさんやヘンリーさんと少し話しが出来たばかりで申し訳ありませんが…昨日決めていたんですよ旅に出ることは。そんなに気にしないで下さい。今日整理したらこの町の廻りの森は大方調べましたから(笑)」
リーチュ「寂しくなるわ…リク君また何時かこの町に来てくれる?」
璃久「必要な薬草があれば来ると思います(笑)」
ヘンリー「きっとまた来てくれよリク君…じゃあまた何時か会えると嬉しいよ…」
璃久『はい。お二人ともお元気で…また何時か会いましょう』
そうして裏口から二人は帰って行った。シルは二人の話しを聞いて機嫌が悪そうだった。璃久は明日は早立ちしようねとシルに伝えるとベッドで寝てしまう
今日は1日勉強していて疲れているのだろう。璃久がしっかりと寝込んだ事を見計らいスッとシルが消えた。
シルは先ずはギルドに行きギルドマスターの部屋で、喚き散らしている男爵の姿を見た。此奴が原因何だな!この町が貧しい理由も、解った気がした。男爵がやっと家に帰るらしくシルはそっとついて行く。周りに怒鳴り散らして明日から検問所も厳しく見張れと命令している。シルは男爵の思考を読み過去の事から今までの領主としての行いを読み取りウンザリとしている。シルは男爵の悪しき思考を修正をして、自分が為なければならない仕事は町を守り発展させる事だという意識に戻して修正を加えた。負けず嫌いの性格を矯正して妙な完璧主義の性格も少し緩くして、自分の力で高みを目指す思考へと変化させた。そうして屋敷の中に渦巻く負の感情を浄化させてからリクの元へと戻った。今度この町を訪れた時にはもう少し、発展している事を期待しながら眠りについた。
璃久は何時もより早く起き上がり日課の鍛錬をして今日早くに町を出ることは決めていたのでランニングは辞めて、部屋で簡単なサンドイッチを作った。宿の主人には昨夜の内に急だけど今日で部屋を引き払う事を告げて残っていた残金を受け取る。急で申し訳ないと言うと、旅人は皆そんなもんだよと言う、またこの町に来る時には泊まってくれよと笑顔で気持ち良く送りだしてくれた。
璃久とシルは何時ものように身軽な様子で門番に挨拶をして町を離れた。
シル『ヘンリーが行っていた北東を目指すの?リク』
璃久『う~ん…どうしようか?余り気にしないで東の街に行ってみない?何か面白い食材とかもう少し服も買いたいしね…サガルマタの町には余り種類が無かったしな、新品が欲しい訳では無いのだけと、選ぶという事が出来なかったから(笑)北東を目指すなら着る物がこれじゃ風邪引きそう出しね』
シル『そうだよね…東に行くと王都にも近くなるしね。どんなご飯が食べられるのかな?楽しみだよ』
璃久『それもあるね、サガルマタは全体的に農耕が盛んな割に貧しい町で活気が無かったしね…改善の余地があり過ぎだったけど、どうして良いのか良くわからなかったからな…』
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