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璃久とシルは東を目指すも街道は通らずに森の中を探索しながら、相変わらず薬草や果実、木の実、ハーブに茸等を採取しながら、時々出遭う魔物を退治しながら朝は前日の残りを、昼と夜はシルのリクエストでステーキやパスタ、うどんを作っているのだからシルはご機嫌で、リクの為に休憩や寝る場所には必ず結界を張ってくれるのでゆっくりと本を読んだり魔法の練習をして過ごす事が出来ていた。他の人が思うよりも快適な旅をしているようだ。森を抜けてそろそろ街が見えて来た。
璃久『シル…やっぱり街になると人が多いね』
シル『街は仕方ないさ…リクの料理も少し我慢しないとかもな(泣)』
璃久『あはは…気にするところってそこなの(笑)まぁ~行ってみてだね…僕は銭湯に行きたいよ(笑)浄化していてもお風呂に入りたいね(笑)』
璃久達はトラディーという街に着いた昼過ぎという事もあり、はそれ程混まずにギルドカード提示と銅貨5枚で通れた。先ずはギルドに行き自炊が出来る宿があるか聞いてみる事にする。優しそうな受付嬢(エリス)の元へギルドカードを提出して問いかける。
璃久「すみません…今日この街に着いたのですが、自炊が出来るような宿はありますか?」
エリス「ようこそトラディーへ、リク-タイガさん…サガルマタのリーチュさんから聞いていますよ。街の滞在予定はどの位の予定でしょうか?」
璃久「特に決めてはいないのですが…この街と廻りの森の中次第でしょうかね(苦笑)」
エリス「採取系の依頼を好んでして下さる方とお聞きしていますよ(微笑)私共ギルドも採取系の依頼をしていただけると助かります(微笑)ところで自炊の出来る宿ですよね!ありますよ!宿も清潔で安心出来ます。ただし使われた厨房はきちんと片付けをして下さいとの事です、でもリクさんなら大丈夫ですよね(微笑)」
璃久「はい。勿論です、料理は片付け迄が料理だと教わりましたので大丈夫ですよ(苦笑)」
エリス「では宿の名前はアンド宿です、簡単な地図とこの街の地図と廻りの森の地図です。街には貴族街の地域があります、不用意に近付かない方が良いと思いますよ(微笑)」
璃久「解りました…色々ありがとうございます。そうだ一番溜まっている場所の採取の依頼を今手続きしても良いですか?朝一番に向かいたいので…」
エリス「勿論です…南西側の森が多いですね、少し依頼料が安めなのです」
璃久「では南西側から始めますね…えっと…あったここら辺ですね、う~ん同じような薬草ばかりですね、では同じ薬草の物とこの薬草もですかね、受付お願いします(笑)」
エリス「わぁ~リクさん、薬草や薬に詳しいのですね…助かります(微笑)」
璃久「薬は勉強中なだけですよ…元々薬草の採取が好きなんです…ではこれから宿に行きます。明日は夕方迄には戻る予定です、よろしくお願いします」
エリス「こちらこそありがとうございます…リクさん。ではまた明日お待ちしております」
シル『リク!自炊って…リクのご飯食べられるって事だよな(笑)』
璃久『そうだよ…シル。先ずは宿に行こう、それと市場にもだね(笑)』
そうして璃久達はアンド宿に行き感じの良いアンデル夫妻に挨拶をして宿泊を決めた。1日銅貨8枚で一応2週間の予約をした。部屋は2階で前の宿より少し広くて綺麗に掃除がしてある。宿を出て市場に行く途中に洋服屋があったので璃久は少し迷いながらも、動きやすさと布が丈夫な物を数着と下着も購入した。シルは違いが良く解らないと笑っているが、素材そのものがこの店は良かったので璃久としては満足していた。シルは早く市場に行きたくて仕方ないという顔をしていたので、早々に店を出て市場に向かった。市場は時間帯の所為か人が少なくて、ゆっくりと商品を見て必要な物を買い乍らも品数豊富な市場に璃久は感心していた。
シル『リク…今日は何処かで食事しないか?一応この街の食堂で食堂をしてみたい…何時もリクに作って貰うばかりだしさ』
璃久『作るのは苦にならないけど…そうだね久し振りに違う味も食べたいね(笑)食材が町と比べれば豊富だからどう使っているのか興味があるね(笑)でも宿に戻って銭湯に先ずは行きたいよ、それからで良いかな?』
シル『うん…リクは風呂好きだもんな(笑)』
そうして璃久は宿の近くにある銭湯に出かけた…シルはギルドにそっと出かけた…丁度エリスがギルドマスター(ジェイ)と話しをしていた時でシルはそっと話しを聞いている。
エリス「マスター。リーチュさんが言っていた、リク-タイガさんが今日来ましたよ。リーチュさんから聞いた通りとても感じの良い青年でしたよ…明日から溜まっている採取依頼をしてくれると言い依頼申請手続き済ませてくれました(微笑)マスター。リーチュさんからの約束守って下さいね!貴族街には近付かないように伝えてありますからね」
ジェイ「分かっている。気を付けるけど…以外と遅かったな…来るの?」
エリス「そんな事はどうでも良いことです。街道を通らずに来たんじゃないですかね…」
ジェイ「ずっと野宿していたのか?心配するような知らせはなかったんだろう?あの問題児が何故か大人しくなっていると聞いたぞ」
エリス「それはそれです。この街の貴族達だってあれ程酷くは無いですけど、勿論伯爵が居てくれますから…でも中には碌でもない人達がいますよ。まぁ~私達には関係無いですがね!」
ジェイ「辛辣だね(笑)でも助かるよな!俺も時間があれば採取依頼しているけれど、そろそろ冬が近いから、薬の準備しておかないとだしな…悪いな余り手伝えなくて…」
エリス「仕方ないですよ…マスターも色々忙しいのですから、他の人達も採取依頼を受けてくれると良いのですが…チームの生活もありますからね」
ジェイ「そう言えばリク-タイガさん、ホントに自炊希望だったのか?」
エリス「ええ…料理は片付け迄が料理ですって…中々言えないわ(微笑)」
ジェイ「へぇ~きちんと育てられた青年何だな…食べてみたいねリク-タイガさんの料理(笑)旨そうだよな…」
エリス「そこは興味ありますね…でも作って欲しいなんて言えませんよ(苦笑)この街の食堂が口に合うと良いですね」
ジェイ「サガルマタの食堂はお世辞にも旨いとは言えないからな(苦笑)しかし、ここも言うほど旨い店は無いぞ!調味料が高いから仕方ないが冒険者が行くような店は香草を上手く使っているけどな」
料理談義になっていたのでシルは宿に戻った。男爵が改善策どう取るかは解らないが冒険者に害は無くなっていたので安心した。
シルが部屋に戻って少ししたら、璃久が戻って来た。シルには着替えもしたらしく璃久の新しい服が似合うと思った。
シル『リク…新しい服似合うな!服なんて何でもいいと思っていたが、違うんだな(笑)』
璃久『ありがとう…前は選ぶ以前だったからな…同じ古着でも布が違うのもあるかな(苦笑)多分富裕層が多いから、古着の質も良いのかもね』
シル『今までの服はどおするんだ?』
璃久『一応…古着屋に持って行くよ。ただでも良いしね…一応古着屋さんに言われたからね』
シル『そうなんだ…人間は面倒な所があるな』
璃久『僕のいた前の世界でも着なくなった服は物にもよるけどリサイクルっていう事で違う国に送るとか、高級な古着屋もあったよ、安い古着屋もかな…でも新品の服が主流だよ、既製品だけどね!ここの国は新品はオーダーメイドしか無いだろう。繊維技術が特殊なんだろうね』
シル『やっぱり…服の事はよくわからないよ…不便なものだね(苦笑)』
璃久『シルは僕の姿をまねて変身するんだろう(笑)』
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