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シル『じゃあ…ご飯行こうか。リク』
璃久『そうだね…何があるかな?楽しみだね、その前に古着屋さんに寄るね忘れちゃうといけないから(笑)』
シル『構わないが…リクが忘れるとは思わないけどね(笑)』
そうして璃久とシルは夕方の街に出かけた古着屋に先ずは寄り前の町で買った服を持っていくと銅貨8枚で買い取ってくれた。店主曰く状態が良いとの事だった。それから食堂を探す。シルが匂いで店を選び日替わり定食のステーキと鶏肉のステーキがあったので別々に頼んだ。ステーキは塩とガール(大蒜)が効いていて、食べやすくなっていた、鶏肉も塩とハーブでやはりガール(大蒜)を効かせていた。スープは野菜が良く煮込んであり塩とハーブで味を調えている。パンも少しもそもそとしているがまぁまぁだった。町と比べるとましな方だった。璃久的には値段とのバランスを見ればこんな感じかなという感想だった。シルは、前よりはましだがやっぱり…リクの料理がいい!と笑っている。
実際この世界では庶民の食べ物には出汁という概念が無いのかもしれない。出汁があれば変化を楽しめるのにと璃久的には思っていた。
シル『国によっても食べ物の習慣は違うらしいぞ…リク。偶々この辺りの食事事情が悪いのかもしれないしな?』
璃久『でもさ~神様が言っていただろう?食が余り良くないみたいって、あっ…シル勝手に僕の考えてた事読んでた?』
シル『ごめん。だって…リク難しい顔をしていたから…気になったんだ』
璃久『まあ良いけどね…シルに読まれても困らないしな(笑)さて今日は久し振りのベッドだから早めに寝よう』
シル『うん。おやすみリク』
璃久『おやすみシル』
そうして2人は久し振りのベッドに入ると直ぐに眠ってしまった。
朝いつも通りに目を覚ました璃久は宿の裏庭で、鍛錬をした後そのままランニングに出る。市場辺りまで軽く走り、序でに市場を見て歩く。野菜類と卵とチチ(牛乳)、チチガレ(チーズの形が不揃い)な物と小麦粉と塩、砂糖等を買い求めた。屋台はまだ出ていなかったのでそのまま宿に戻るとご主人(アンデル)が表を開けている所だった。
璃久「おはようございます…アンデルさん」
アンデル「タイガさん、おはようございます…早いですね」
璃久「あっ…すいません…裏口から出てしまいました…朝の鍛錬とランニングが日課で序でに市場迄行っていました」
アンデル「昨日聞いていましたから構いませんよ。朝ご飯作るのですか?」
璃久「はい。簡単な物ですが…」
アンデル「見ていても良いですか?タイガさん」
璃久「あっ。僕の事は「リク」で良いですよ。卵を焼いてスープを作るだけですよ(笑)」
アンデル「最近は珍しいのですよ…若い人が自炊するって」
璃久「そうなんですか?まぁ…別に構いませんよ。では厨房お借りしますね」
アンデル「どうぞ、使ってやって下さいな」
そうして璃久は宿のご主人アンデルさんが見てる前で料理をする事になった。璃久は手を洗いボールを出して卵3個とチチ(牛乳)を少し入れ塩胡椒とハーブを合わせた物を少々砂糖ひとつまみ入れ混ぜ合わせフライパンにリーフ油を少し垂らす買ってきたチチガレ(チーズ)を卸し金で細かく摺り下ろし卵液に入れ軽く混ぜるフライパン用のタオルを水で濡らし絞り過ぎないようにコンロの脇に置く。
小鍋を出して残っていた乾燥野菜を籠で洗い鍋に入れダシ粉を入れ火にかけるその間にマルレット(トマト)とリーフ(レタス)を洗いマルレッドはスライス、リーフはちぎり空いたザルで水切りをする。思い立って小さいめのマルレットを洗い賽の目に切り卵液に投入しておくフライパンを火にかけリーフ油が温まると卵液をざーっとフライパンに流し込む菜箸でザックリとかき混ぜ半分位卵が固まり始めたらコンロの脇の濡らしたタオルの上に起き卵の形を玉子焼き(オムレツ)のように整える木のボールに大きなオムレツを乗せてスープがコトコト煮えて来たら味を見てハーブ塩胡椒を入れ残っていた卵白を回し入れる。
これで朝の準備は終わりだスープは鍋のまま丁度良い籠を蔓で編んだものに鍋と玉子焼き(オムレツ)を皿を乗せ空いた手でマルレットとリーフの器を持つ。勿論片付けは終わっており水場もコンロの周りもフライパン用のタオルできちんと拭かれている。
アンデル「随分と大きな玉子焼きですね~それにスープの量も多い。リクさんこれは朝昼兼用ですか?」
璃久「はい。昼はゆっくり出来ないので今日は多めに作りました」
アンデル「あの~大変失礼ですが玉子焼きの端を少し味見したいのですが、後スープも…意地汚いようで申し訳ないのですがお願い出来ませんか?」
璃久「見てると味見したくなりますよね。」
そういって小皿2つにスープと玉子焼き(オムレツ)を少し分けた物を置く。
璃久「どうぞ本当に味見だけですがね(苦笑)」
アンデル「うん。何方もとても美味しい。リクさん凄いですね玉子焼きにマルレットやチチガレ、チチ入れるのは初めて見ました、ごめんなさい…冷めちゃいますよね、どうぞお部屋へ上がって下さい…ありがとうございます」
璃久はやっと解放されて部屋に戻った。シルは2階から覗いていたらしく待ちきれないと、璃久の周りもをちょこまか動く部屋のドアを締めて机に料理を起きパンとジャムとケチャプを用意して
璃久『お待たせ、シル召し上がれ』
シル『待ちわびたぞ…リク…いっただきます。モグモグ…リク、玉子焼き最高』
璃久『いただきます…うん。マルレット(トマト)も良い味だね』
シル『チチガレ(チーズ)とチチ(牛乳)も入っているんだろう…ホントに美味しい…幸せ感じる』
璃久『つい2人前作って焦ったよ…まあ宿のご主人が昼用って勘違いしてくれたしね(笑)』
シル『今までで一番大きな玉子焼きだね』
璃久『久し振りに厨房で見られてること忘れて気持ち良く作った結果だなここの厨房使うときには調味料は上手く誤魔化さないと見られてる事忘れちゃうよ(笑)まあ良いんだけどね』
シル『あのご主人もしかしたら商業ギルドのお偉いさんかも知れないぞ』
璃久『なるようになるさ。考えても仕方ない事は起きてから考えるよ(笑)シルホントにお弁当にするの?』
シル『それでも良いかな!美味しいし、大きくて目が満足してる。スープも美味しいし』
璃久『じゃあ片付けて東南側の森に行くよ』
シル『了解だよ』
璃久は窓を開けてから片付けが終わると窓を締めて浄化魔法迄かけていた。
出かける時にはアンデルさんがニコニコして送りだしてくれた。
東南側は確かに来る時に通ったが採取依頼の場所はもう少し東側だった。
何となくサガルマタでの採取を思い出したが微妙に薬草の魔力が違うと璃久は感じていた。その土地、土地に合う薬草なのだろう依頼の薬草の配分が微妙に違っていた。同じ薬草でも魔力が微妙に違う事が薬作りにも微妙に変わる事も頭の隅に置いておく。良い勉強になる
薬草依頼を終わらせてからこの辺りにある珍しい薬草を探しながらあいも変わらず果実に茸や木の実を採取していた時に魔物の魔力を感じた。シルと目が合うシルの好きな牛型の真物だった瞬時にボーガンで仕留めた。
シル『そろそろ良い水場がこの先にあるからそこで昼休憩しようよ…リク』
リク『了解だよ右に行けば良い?』
シル『そうだよ…?あれ…??』
璃久『どうしたの。シル?』
シル『う~ん…??気のせいかな?一瞬…気配が…』
璃久『何?行かない方が良い?ねぇ…シル』
シル『あっ…ごめん…大丈夫だよ、行こうか、リクのパスタ食べたいな?』
璃久『うん…良いよ。後スープは野菜で良い?』
シル『味噌味にしてくれる?』
璃久『それでも良いよ、パスタは醤油味?マルレット味?』
シル『マルレット味で良い』
璃久『了解だよ。味噌味スープは多めに作ろう具沢山でね(笑)まだ宿のご主人のアンデルさんの前では作れないからね(苦笑)』
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