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璃久『う~ん塩と胡椒が有るともう少し味付けが出来るんだけど…今はこんな感じしか出来ないな!後は果実を食べれば良いか』
シル『塩は町に行けば売っているよ。胡椒ってさっき採った木の実だよね?リク』
璃久『そうだ…確か木の実だった!あれ採取した凄く小さな木の実があったよね!あっ!ちょっと待って胡椒の実を少しだけ細かく砕いて木の葉の上に出す…うん。これだけ有れば少しの間は持つね』
シル『へぇ~胡椒の実ってこんなに細かく砕くの?どれ!何これ…はふぅ舌が痺れたみたいだよ…リク』
璃久『あはは…シル。胡椒はほんの少量を肉や魚、野菜にかけるだけなんだよ直接食べる物じゃ無いよ!果実でも食べておいて…もう少しで肉が焼けるからそこに少量振りかければ味のアクセントになるよ』
そう言うと璃久はくしに刺して焼いた肉にほんのひとつまみの胡椒をまぶしてシルに焼けた肉を渡した。
璃久『シル…熱いから気をつけて食べてね(笑)』
シル『ふぅ~ふぅ~パク!う~ん美味しいよリク香りが良いね、胡椒も肉の味を引き立てるね』
璃久『気に入ったみたいだね…僕も食べるか…う~ん香草と胡椒だけだけど、まあまあだね、鍋とか有ればスープも出来るけどそれは町に行けば買えるんだよね!シル…そう言えば僕達お金持っているの?』
シル『神様が少し持たしてくれたよ!後この世界の言語も自動翻訳される。文字も読めるし書ける筈だよ…リクの頭の中では今までの言語が浮かぶだろうけど長く暮らして行けば、この世界の言語にも慣れていくと思うよ』
璃久『そっか…この世界のお金も少しは有るんだね。言葉も大丈夫なんだ!少し安心した。この世界では胡椒は使われていないの?』
シル『いや…使われているけど高級品だよ。森の中でしか採れないからな』
璃久『そうなんだ…シル、胡椒の栽培出来ないか調べてくれるかな?』
シル『胡椒の栽培はこの森の中なら出来るけど結構難しいね、温度管理と湿度、直射日光を浴びると駄目とか条件が色々有るよ。一応データ送るね』
璃久『確かに普通に栽培は難しいね…所でシルこの森は亜熱帯地方になるのか?言うほど蒸し暑く無いのだけど?』
シル『この森はどの国にも属して無い地帯何だよね。このまま東に向かえばシートリア国という比較的に平和な国が有るよ。北に向かうと少し宗教関係が色濃く出たスメルデア国、西に向かえば色々な種族が住むアゾル共和国、南に向かえば人間と其れ其れのハーフが暮らすハーディ-共和国だよ』
璃久『何でこの森はどの国にも属して無いの?』
シル『う~んと、この森の廻りに山々がぐるりと囲っているんだよね、それに魔物も多いんだよ…だから国と国の往き来が何気に難しいんだ。其れ其れの国の間には高い山脈も有るからね。シートリア国とハーディ-共和国の間には海が有るしね…この大陸では其れ其れの国を干渉をしないという条約が出来上がっているんだよ…だから比較的平和な大陸何だよ…その分発展し難いという弊害もあるかな』
璃久『へぇ~そうなんだ…でも魔法があるんでしょう!転移魔法とか飛翔魔法出来ないのかな?』
シル『個人的に出来る人間はいるけど…リク程の魔力を持った人間はいないかな!あっ!エルフ族なら魔力も多いし長生きで中には魔方陣の研究をしているエルフもいるだろうけど元々が秘密主義だし…多種族を嫌っているから余り広まらないかな』
璃久『エルフ族ってやっぱり草食で閉鎖的なのかな?ドワーフ族とか獣人族とかもいるの?』
シル『おお!リク何で知っているんだよ』
璃久『ああ…地球での小説とかゲームの知識だよ…でもほんとうにファンタジーの世界みたいだな(笑)』
シル『まぁ~リクのいた世界は魔法の無い世界で科学や技術等の文明が凄く発展した平和な世界なんだよな?』
璃久『確かに魔法が無くても便利で僕達の国は特に平和な世界だな、だからといって人が死なない世界では無いけどね…人が人を殺すとか乗り物で事故で人が殺される事もあるし、政治的な事に巻き込まれれば知らないうちに殺される事だって有るらしいしね、地球でも戦争している地域はあるよ』
シル『ふぅん…人間ってそんなに何処の世界でも本質的には変わらないのかもな…でもリクは神様が認めた魂だから危険な事にはならないんだろうな~』
璃久『なんだよな…それ。僕だってこの先どう変わるのかなんてわからないじゃないか…魔物退治だってシルが言うとおりしているしね…人を殺すとかはちょっと嫌だけどね。でも襲われる事もあるんでしょう?そうなったら正当防衛っていうか?自己防衛はしないとだよね』
シル『そうだね…僕は絶対にリクを守るからね…そこは安心して欲しいな。
リクに危害を加えるような奴は僕が上手に排除するからね(笑)』
璃久『シルのその言い方凄く怖いんだけど(苦笑)僕にも出来る事もあるんでしょう!相談しながら一緒に楽しくやって行こうよね。シル(笑)』
シル『そうだね…リクと話し合い乍ら、最善を尽くそうね。ところで何処へ向かう?リクはどの国に行きたい?』
璃久『そうだな…最初は東のシートリア国に向かおうか。シルが最初に言ってくれた国だしね』
シル『そうと決まれば東を目指して、採取や魔物退治しながら色々な素材集めして行こう、リクがどんな創造物を作るのかも楽しみだからな(笑)』
東のシートリア国を目指し途中でリクとシルがそれぞれに気になる物を採取しながら、夜はシルが指定した場所でリクは眠り、町に着くまでは肉や魚や果実を主食に過ごし、シルから剣や躰の動かし方、魔法のコントロールと使い方を教わりながら1週間かけてシートリア国の国境近くの町(サガルマタ)という町に着いた。この町は時々他国から流れてくる人が少なく無いため証明書等無くても10銅貨を払えば町に入ることが出来る。街で証明書を交付されれば町を出て行くときに半分返金してくれるとの事だ。リクは取り敢えず冒険者ギルドに登録をした。
シートリア国では冒険者ギルドは国が基本的に管理をしている。登録の際に魔力量や属性を調べられるがシルが上手く調整して多少魔力多めで属性も火と水と風と土だけを登録した。基本属性以外は調べる事がこの世界では出来ない為それ以外を態々申告する必要が無いのだ。
リク-タイガで冒険者登録が済みランク試験の結果Dランクでの登録になった。勿論シルからの助言で力を抑えて試験には望んでいる。来るまでに倒したランクに見合う魔物の素材と薬草等をギルドで買取して貰い璃久的にはそこそこの収入を得た。
一度ギルドを出て暫く滞在出来そうな宿を紹介して貰ったので、宿の確保をした。紹介された宿(リーブル)は1泊10銅貨だが2週間以上の連泊だと1日7銅貨に割引のサービスが有るのでシルと相談して先ずは3週間の連泊で先払いを済ませた。
部屋はベッドと机に椅子がありこじんまりしているが清潔な感じの良い部屋で璃玖は久しぶりにベッドで寝られると安心した。
シルから買い物と食事をしに行かないかと提案された、考えればこちらの世界に来てから、魔法で浄化しているだけで、着替えもしていないことに璃久は自分でもびっくりしている。
璃久『そうだね…シル。取り敢えず着替えとか、この国の生活環境も見たいから買い物に行こう』
シル『知識では知っているけど、実際に現地を見るのは初めてだからな(笑)』
そう言いながら宿を出て町の中へと出かけて行く璃久とシル。先ずは古着屋で璃久は機能性重視の服を見繕い、下着は新品が有ったのでそれも購入した。商店街を歩いていると薬屋を見つけた。璃久はどの様な薬が売られているのか興味が有るため店内に入る。シルからの知識が流れて来る。ポーションなどは量り売りでそれぞれ各自の持つの専用容器に必要な分量を売るという。使い捨てタイプは無いようだ。各自のポーション入れの性能で多少の劣化は有るらしい。
今の所硝子が高価な為にそれぞれの容器に各自の魔法で性能の劣化を落とさないように工夫しているようだ。璃久は水筒の使い易さと劣化を防ぐ為にシルに魔方陣の知識を送って貰う。璃久は改めて魔法と魔方陣の知識を学ぼうと思った。シルから部屋に戻ったらもっと詳しい情報送ると伝えてくれた。
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