神様の手違いで第二の人生が異世界

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一度薬屋を出てから、今度は雑貨屋に向かった。雑貨屋では鍋等冒険者が野宿する為の道具等が揃っていた。璃久は頭の中で金物等は有るが食器等は壊れない木が使われている事、硝子は高級品扱い、水筒等は革を鞣した物を上手く袋状に作った物が一般的な物だと見て歩き、最低限必要な物を購入した。璃久は人の目も有るので収納魔法は使わない事に決めていた。シルは特に何も言わずニヤニヤしている 次にまだ市場が開いていたので何か珍しい物が無いかと足を向けた。生鮮食品から始まり農家で採れた野菜等が売られている並びに小麦粉や豆(この世界の少し形が違うが地球と使い方はそれ程違わない)物等もありシルの説明を聞きながら、塩(岩塩)と砂糖の塊(白くない)も売られていた。塩と砂糖を一塊ずつ購入した。シルの知識でこの国はパンが主流で米は南にあるハーディ-共和国にあるらしい。パンも硬い日持ちが良い物は冒険者や貧しい人用で、日持ちのしないパンもあるが専門店で売られているらしい。璃久もパン作りは発酵とか手間がかかる為に作ろうとは思っていなかった。明日パン屋さんに向かう事にした(パン屋は朝が早く昼には店を閉めている) 一度荷物を整理する為に宿に戻る事にする。途中で銭湯らしき建物に気がついた璃久は荷物を整理したらもう一度銭湯に行きたいとシルに伝えた。 宿に戻ると雑貨屋で買って置いた肩掛けバックとベルトに取り付けられる革の小物入れを出してベルトに取り付けた。バックと小物入れにも収納魔法をかけて、お金を小物入れに、肩掛けバックと共に収納魔法へと繋げた。シルからこの国では魔法を使える人の殆どが収納魔法を使える事、魔力量に応じて大きさは違うこと等を改めて教えて貰う。この国では収納魔法そのものは一般的な事だが、一応小物入れやバックを持っているらしい事らしい。実際そうしておくと、スリや置き引きに狙われても空のバック等しか摺れないし、魔法を掛けた本人にバック等は自動的に戻って来ると教わる。璃久は中々便利なんだねと笑う。バックと小物入れを選ぶ時にシルがこれが良いと少し高めの使い易い物を勧めてくれた理由がわかった。 シルが言うには僕の収納魔法は人と違って時魔法と重力魔法が使われた異空間収納で物は腐らないとか温かい物は温かいままで冷たい物は冷たいまま、ようは収納した時の状態を保ち、シルが入れた物を個別空間(透明な仕切り)で分けているようで、ぐしゃぐしゃにはならないらしい。シルから無属性の球体を大きさを指定されて町に着くまでには沢山作らされたのは、しきりの中で使っているらしい、なのでこの収納の事は僕とシルだけの秘密なんだ!魔物の血液まで採ってあるとは思っていなかったけどね。 宿から先ずは購入した着替えをバックに入れて、銭湯に向かった。日本のお風呂のようなシステムで、僕は久し振りにお風呂に入り新しい下着と先程買った古着に着替えて、スッキリとした気分になった。 璃久『やっぱり僕は…日本人何だなぁ~お風呂が好きだなぁ~』 シル『リク!本当にスッキリしたって顔しているなぁ~(笑)浄化魔法でもきちんと汚れは落ちているんだけどね(笑)』 璃久『僕のいた日本て所は特にお風呂好きなんだよね。湯船に浸かる風習は日本から世界に広まったんだよ。温泉文化もね(笑)でもこの国に銭湯があるって事は僕みたいに日本人がこの世界に来たことあるって事になるよね…システムも日本と同じだったもの!』 シル『えっと銭湯文化は100年位前に広まったんだよ。確かに日本人の転生者だったみたいだね。下水道の事業もその頃からだね』 璃久『凄いね!僕としては有難いけどね(笑)お腹空いたな…でもシルは食堂じゃ食べられないよね』 シル『心配しなくて良いよ!リク…ちょっと人のいない所へ寄って、僕が人間になるから』 璃久『えっと…シル。人間の姿になれるの?』 シル『一応人間観察したからね!でも普段はいつも通り見えないよ。まだまだ僕は勉強不足だからな(笑)それとリクとご飯食べたいしね!』 璃久『わかった!1人のご飯はつまらないからな(笑)』 そうして璃久とシルは良い匂いのする庶民的な食堂に入りこの町の一般的な食事をした。味付けはハーブと塩がベースの炒め物やスープ、パンは黒パンより柔わらかいがもさもさしていた。スープには野菜が入っていてそれなりに食べた。宿に戻り璃久は食べた食事を思い出し乍ら考え始めた。 食文化は過去の日本人の影響なのかあっさりとした物で流石に味噌や醤油は豆の知識が足らなかったのか?米も無いので作れてないのか?現地の人には合わなくて普及しなかったのか?でも麦味噌って作れるのでわ?等と思っていたら、シルが話し始めた。 シル『麦味噌はこの国でも作られているなぁ~でも作るのに時間がかかるから、麦の生産が盛んな地域でしか流通していないんだ、基本麦は粉にして流通しているからなぁ~』 璃久『そうなんだね…そう言えば市場にも粉にした物しか売っていなかったよね…麦味噌は貴重なんだろうね…っていうことは醤油らしき物もあるって事だよね!味噌を作る工程で醤油の元も出来る筈だもの?』 シル『そうなんだが…麦味噌と同じ理由で一部の地域の高級品扱いだな。大豆によく似た豆ならさっきの市場にも合ったぞ!リク』 璃久『そうか…大豆に似た豆が有れば味噌と醤油なら作れるね…普及させるには時間がかかるだろうけどね(笑)』 シル『そうだなぁ…リクなら創造魔法で一瞬に作れるけど…普及させるとなると色々と手を打たないと不自然だよな!』 璃久『そうだなぁ…取り敢えず明日は教えて貰ったパン屋でパンを買い、市場で大豆に似た豆(青茶豆)を買い、酒樽を買い塩ももう少し買って、小麦粉も買っておこう』 シル『酒樽かぁ~いい方法だな!少し多めに買おうよ!水とかも入れられる』 璃久『酒樽が大小有ればもっと良いね!さて今日はもう寝ようよ…久し振りにベッドで眠れる…おやすみなさーい』 そう言うと璃久は直ぐに眠りの世界に入って行った。シルはリクに防御魔法を掛けて、そっと消えた。 勿論神様の部屋へと向かいリクの為に魔法と魔方陣の本と薬草薬の本を神様に貰うためだ。シルはリクが頭の中の知識を書き写しているのを見ていた為に、まだまだ相互理解する迄に行っていない為に読んで理解する必要があると感じていた。 神様もリクを見ていてシルが感じ取った事に賛成だったのでエルフの世界にある貴重な本を用意した。シルは本を受け取り神様に感謝してリクの元に戻りリクの傍でそっと寄り添うように寝た。 翌日の朝何時ものように璃久は起き上がりまだ寝ているシルを起こさないようにそっと部屋を出て宿の裏庭を借りてこの世界に来てからシルに教わった基礎の鍛錬を始める。柔軟体操から木刀の素振りを熟してから適当に町をランニングして朝の鍛錬を終わらせる。 部屋に戻るとシルが起き出した。 璃久『シル…おはよう。ゆっくり眠れた?』 シル『ああ…おはようリク。やっぱりベッドで寝るのは気持ち良いね』 璃久『そうだね…僕も久し振りにのんびり寝られたよ。やっぱりベッドで寝るのは気持ち良いね』 シル『そうだよね…この世界に来てから初めてだからな!ベッドで寝るのは(笑)そうだ朝ご飯はどうするの?』 璃久『そうだね…先ずはパン屋さんに行って…屋台が出ていたからそこで食べるものを買って部屋で食べない?色々な屋台が出ていたよ』 シル『えぇっ!屋台が出ていたの。わぁい楽しみだね』
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