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そうして璃久達は先ずは教えて貰ったパン屋に行き食パンらしき物を1つ買った。それから市場に行き大豆に似た青茶豆や塩、砂糖、小麦粉等を買い求めて、酒樽は職人通りにある店で売っている事を市場の人に聞いていた。
シル『ねぇねぇ…リク!屋台の良い匂いがしているよ。酒樽は後にしようよ』
シルの気持ちが屋台に向かっている為に璃久は苦笑しながらも屋台で朝ご飯を買って宿で先に食べてから樽の店に行くことにした。
シルは屋台を見ながら肉の串焼きの店を指して食べたいと璃久の周りを飛び回る。璃久は昨日買った蓋付き容器を出して串焼きを入れて貰う。
それと玉子焼きがサンドしてあるパンと薄切り肉と野菜をサンドしているパンを買った。
隣の屋台を見るとスープを売る屋台で持ち帰りが出来るように木をくり抜いて蓋を付けた容器が売られていて、次からはスープだけを容器に入れてくれるようだ。璃久は容器入りスープを買い求めた。
一度宿に戻り部屋で屋台で買った物を机に並べスープをカップに入れて朝ご飯を食べる。シルは串焼きから食べ始める。
シル『リク…串焼き柔らかくて美味しいよ!野菜に漬け込んで焼いているよ』
璃久『そうだね…野菜を摺りおろして揉み込んでいるから肉も柔らかくなって美味しくなっているねぇ~』
シル『野菜に漬け込むだけで肉が柔らかくなるんだねぇ…料理って奥深いんだなぁ~』
璃久『そうだねぇ…色々な調理方法があるからねぇ~僕も全部が解る訳じゃ無いけどねぇ~』
シル『調べるのは僕に任せてね!リク。レシピも探せるからね』
璃久『頼りにしているよ!シル。簡単な物なら昼休憩の間に作ろうと思っているんだ…今日はジャムを作ろうと思っているんだよね(笑)』
シル『ジャムって?…果実を砂糖で煮るんだね。パンに塗って食べるんだよね?楽しみだよ!リク』
璃久『うん…宿に泊まっていると中々ジャムとかは作れないからね…さて酒樽を注文してからギルドに行こうか!』
シル『そうだねぇ~璃久の言う醤油と味噌にも興味あるからなぁ~楽しみが増えるなぁ(笑)』
璃久『さて酒樽の注文をしに行こう、その後はギルドで依頼で薬草採取でも受けて昼休憩の時にジャム作ろうね…シル』
シル『うん…ジャム作ったらお昼ご飯で食べられるんだよね(笑)』
璃久『シルは町に来てから食い気オンリーになってるね(クスクス)』
シル『だって…リクが作った料理が美味しいんだもの…店で食べた物はリクが作った物より美味しくなかったけどね。ただ今まで食べるという事に興味が無かったからさ…』
そんな話しをしながら職人通りにある酒樽を売っている店で酒樽を大3個中を3個と小を5個注文して支払いを済ませた。3日後の夕方には出来るとの事なので3日か4日後の朝に引取にくると伝えて店を出てギルドに向かった。
ギルドでは早朝の忙しい時間は過ぎていたようで、人は疎らだった。
薬草採取は余り人気が無いようで以外と依頼が残っている。同じ森の採取依頼を5枚位選び依頼の受付をした。受付のお姉さんはリーチェさんといって笑顔が可愛くて感じの良い人だ
リーチェ「あら新人君なのにもうDランクなのね…採取の依頼を受けてくれてありがとうね(微笑)でも途中で魔物に出遭うかも知れないから充分に気をつけてね!無理はしないで遣り過ごすのも冒険者を続ける為の手段だからね」
璃久「はい。廻りに注意して薬草採取して来ますね。夕方迄には戻って来る予定です…ありがとうございますリーチェさん」
リーチェ「リク君は礼儀正しいのね。何か聞きたいこと有れば何時でも声かけてね(微笑)」
璃久「ありがとうございます。では、行って来ます」
リーチェ「気を付けて行ってらっしゃい」
それから璃久は門番小屋へ寄りきちんとギルドの証明書を提示して預り金の半分を返して貰いクエストに出かけた。
今日行く森は町の北側にあり、歩きだと1時間位かかるそうだが璃久は軽く走りだすと20分足らずで着いた。
シル『リク…先ずは魔力を抑え込んで気配を消して、そこから探索の訓練だよ…魔物は勿論だけど出来れば薬草の魔力を感じるようにしてくれよ』
璃久『了解だよ…シル。薬草の魔力を覚えるように頑張るよ』
シル『通常の身体強化と目と耳にも身体強化をかけると薬草採取は楽になるよ、鼻だけはかけるなよ(笑)』
璃久『了解だよ…シル。あれは一度経験したら二度と鼻には強化はかけないよ(苦笑)』
そうして璃久とシルは森の中に入って行き、先に依頼の薬草採取を進め乍らも璃久は気になった薬草や果実、木の実等は自分用に採取している。
そんな時に魔物の気配を察知した璃久はどうしようか?と一瞬考える
璃久『ねぇ~あれって蜂の魔物と蜂の巣?もしかして蜜…蜂蜜が採れるの?』
シル『ああ…間違いなく蜂蜜やローヤルゼリー蜜蝋が採れる。でも毒を持っていて刺されると大変だぞ!』
璃久『無属性の防御膜でも指されるかな?』
シル『それなら大丈夫かもだな…少し厚めに掛けた方が良いぞ』
璃久『後は蜂の巣と蜂ごと魔力玉で包んで収納スペースに入れたら蜂ごと退治出来るかな?』
シル『面白い事考えるな魔力玉で包んで有れば収納スペースに入れられるな…そうすると必然的に蜂は退治出来るという事だな…やってごらんよリク(笑)』
璃久『やって見るね!取りこぼした蜂は剣で退治するよ』
璃久は魔力を上手広げていき蜂の巣と蜂を包み収納してしまう。時の止まった空間に入れられた蜂はそのまま解体されて毒以外使い道が無いので取り出されてくるので浄化の火で燃やした。蜂の巣は蜂蜜とローヤルゼリー、蜜蝋とに分けられた。こうして璃久は中々市場に出回らない蜂蜜を手に入れた。ローヤルゼリーと蜜蝋は魔法薬作りに必要になるだろうと別々に分けておく。
収納スペースの中で解体をすると、綺麗に必要な物だけを残して、ごみになる物は纏めて浄化機能が働くのだが、基本は璃久が収納スペースからゴミを取り出して浄化の火で燃やしている。
シル『リク。魔力の扱い方随分と上手くなってきたね!』
璃久『シルが神様から本を貰って来てくれたからかなぁ~想像し易くなったんだよね!ありがとうシル』
シル『いや…リクが一生懸命勉強しているからだよ』
璃久『魔法陣や魔法薬の本もありがとうね!頭の中では理解していてもやっぱり本があると理解し易くなるよね!』
シル『リクが喜んでくれるなら良かった(笑)特に魔法陣はリクには本がある方が分かり易いだろうって神様も思っていたみたいだよ』
璃久『魔法も魔法陣も魔法薬も本があると助かるよ、感覚だけじゃわからない事もあるからねぇ~』
シル『リク!気を付けて魔物が来るよ』
璃久『あっ!シルが好きな魔物だね。頑張るよ(笑)』
そう言うと璃久は戦闘モードに入りボーガンを使って水魔法の矢で魔物を仕留めると収納して解体をした。
璃久『シル。そろそろお昼ご飯にしようか?依頼の薬草採取は終わっているからね』
シル『今の肉も焼いてくれるの?リク』
璃久『それもあるけどジャムを作りたいんだよね(笑)朝話しただろう…パンに塗って食べると美味しいんだ…さっきの蜂蜜もあるしね』
シル『そうかリクが果実を良く集めているのはジャムを作る為だったね…朝聞いた』
璃久『それだけじゃないけどね…保存食にもなるでしょう(笑)』
シルが湧き水の沢の方角を示すと璃久は魔力を抑え気配を消しながら探索を掛け乍ら歩いて行く途中に果実や薬草等見つけると採取し乍ら湧き水の沢を目指した。
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