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沢の傍は少し拓けているのでここで昼休憩を取ることした。璃久は簡易の竃を魔法で作り途中で拾った枯れ枝に火をつける。沢の湧き水を鍋に汲み序でに水筒の水も汲んでおく。竃に網を置き水を汲んだ鍋を置き市場で買った野菜を食べやすい大きさに切って入れる、序でに乾燥させた茸もスライスして入れた。
先程倒した魔物の肉は食べやすい大きさに切り作っておいた肉を包丁の背で叩きハーブと塩胡椒を振りかけてから網の上に乗せた。別な鍋を網の隅に置き下処理を済ませたベリーのような果実を入れると砂糖を加えた。ベリーの下処理は空間の中で済ませていた。
木べらでベリーと砂糖をよく混ぜておく、肉の焼き加減を見て裏返しておく。スープの味を見て塩、胡椒で味を調え煮込んで行く。火加減を見ながらテーブルを出して椅子も出す。テーブルに皿とカップを置き肉の焼き加減を見る、序でにベリーの鍋も木べらで混ぜている。
肉が焼けたのでお皿に乗せる。朝買った食パンみたいな物を食べやすい厚さに切り出来上がったスープをカップに入れた。ジャムはもう少し煮詰めないと駄目なので収納して魔法で仕上げをしてからテーブルに出した。
シル『リク!これがジャムなのか美味そう…甘酸っぱいね。肉も香ばしいなぁ~』
璃久『さて、食べようか。シル…いただきます』
シル『いっただきます…ぱくっ!肉柔らかくて旨いよ!リク』
璃久『それは良かったよ…即席に作った割にはまぁまぁかな(笑)しかしパンはやっぱりもさもさしているな…作る過程で力が入りすぎているのかもしれないな?ジャムよりスープに付けて食べる方が食べやすいな』
シル『このスープも良い香りで味が良い!ジャムも旨いぞ』
璃久『茸を干しただけなんだけどね…野菜とも合っていい出汁が出てるね』
シル『やっぱりリクが作る食べ物は美味しいねぇ~』
璃久『出汁…フォン、ブイヨンが足りないのかな?ねぇシルこの国には海があるんだよね』
シル『ああ…あるぞこの町からは少し遠くて俺達でも普通に歩くと2か月はかかるけどな』
璃久『この町で僕がもう少し魔法を使えるようになったら、海を目指さない?ここまで流通していない物も沢山ありそうだからさ(笑)』
シル『それも面白そうだけど…魔物も結構強くなるぞ』
璃久『負けないように勉強と鍛錬するよ』
シル『リクは頑張り屋だな(笑)』
食事を終えて片付けをしてから璃久とシルは帰り道ではぐれた魔物に遭遇したビッグベアと呼ばれている獰猛な魔物だ。璃久は何時ものように水魔法の矢を少し大きめに創り出しボーガンで額を狙い打った魔力を多めに込めたのが幸いしてビッグベアを一撃で倒した。シルが死んでいる事を確認してくれたので、璃久は安心して収納して解体を済ませた。
璃久『珍しいねぇ~ビッグベアがこの辺りにいるのは、何かあったのかな?』
シル『山の奥で何かあったのかな?こんな里に下りるのは確かに変だな?でもはぐれだから住み家を探していたのかもな。この辺りは果実や木の実も豊富だからな!』
璃久『そうか…この森は果実や木の実・茸が豊富なんだね。そういえば薬草も種類が多いね。いる間に薬草は魔法薬に果実はジャムを作っておこう、魔法でジャムは造れること覚えたしね(笑)』
シル『今日のビッグベアの事はギルドに報告しておいた方が良いぞ!リクのランクも上がるだろうしな(笑)』
璃久『そうか…他の人が、もしまたこの辺りにいない魔物に会ったら危ないよね!報告と買取はして貰おう、他にも出していい魔物あるかな?』
シル『今日はビッグベアだけにしておこう柔らかそうな肉は残して置いてくれよ…俺が食べたいからな(笑)』
璃久『そうだねぇ~中々食べられないかもだよね…僕も食べたいからね…シルの言うとおりにするよ』
シル『魔石は売るなよ!あの大きさの魔石は貴重だからな』
璃久『了解だよ…そう言えば最初から僕達は魔石を元々売ってないよね…収納から出すときに、魔石は出てきていないよね(笑)シルが別に分けているの?』
シル『あはは…気がついたか!リクは無用心に色々な物を出してしまいそうだから俺が制限かけているんだぞ』
璃久『いつもありがとう…シル』
2人で話しながらも、薬草の採取や果実や木の実、茸等気になる物は採取しながら帰り道を急いで森から出た。町に戻りギルドではぐれのビッグベアの話しをして驚かれたが璃久は運良く魔法の矢が急所に刺さったと説明をしておく。
依頼の薬草と共にビッグベアの素材を買取査定して貰う間にリーチュさんからは、少しばかりお小言を頂いていたが、璃久の事を心配しての事なので大人しく聞いていた…査定も終わり買い取り価格を聞いて、ちょっと吃驚したが懐が温かくなるのは良いことなのでリーチェさんが言う通りにギルドカードに預金して貰うことにした。
ギルドカードには預金システムがあり、何処のギルドでも下ろす事が出来るのと、防犯対策にもなる。ギルドカードには魔力が登録されているから盗難に合っても悪用出来ない仕組みになっているらしい。
璃久とシルは市場に向かい何かスープの素を作るのに必要な材料が無いかなと見て歩いていると珍しく海の物を売っている露天を見つけた。
基本は干して塩漬けした魚が殆どだけど、シルに教えて貰った鑑定というスキルを使って見ると鰹節に似た魚があったのでそれを全部買うことにした。
鑑定というスキルはシルから教えて貰った知識と目の前に有る物を璃久の知識と照合するような事らしい。魔力は使わないから魔法とは言えないんだって!
売り手の叔父さんはこんなカタブシ(鰹節)を欲しがるなんて変わっている兄ちゃんだ!全部買ってくれるなら安くしておくよ。銀貨1枚で売ってくれた。1本銅貨1枚にもならなくてかえって璃久は悪い気がしてしまったが、露天で揉めるのも悪いので、叔父さんの好意に甘えることにした。
シル『リク…それで何作るんだ?』
璃久『出来てからのお楽しみだよ!シル(笑)』
璃久とシルは昨日とは別な店で夕食を食べる事にした。香ばしい肉を焼いた匂いのする店を見つけて2人でステーキ肉と野菜スープとパンを頼んだ。少し昨日より割高な店だがステーキ肉は下処理を丁寧にしており香草と塩で味付けされており、まぁまぁ美味しく食べられた。野菜スープも良く煮込んでありやはり香草と塩で味付けしてあるので味も悪くなかった。パンはやはりもそもそしていたがスープに付けて食べる分には美味しく食べられた。
シル『リク…昨日の店よりは美味しかったな』
璃久『そうだねぇ~丁寧に時間をかけてきちんと下処理をしていたね、まぁ~胡椒が高価だから仕方ないのだけれど、もう少し改善は出来るだろうね』
シル『リク…何か考えているの?さっき言っていたお楽しみなのかな?』
璃久『そうだねぇ~考え方が変わるとお店の人の努力でもっと美味しくなると思うんだよね…手抜きはだめだけどね(笑)』
そんな話しをしながら宿に着くと直ぐに、璃久は銭湯に行った。シルは銭湯は苦手らしく部屋で寝ているらしい
璃久は銭湯で躰を洗い湯舟に浸かり乍らも一つ一つ頭の中を整理してから銭湯を出て宿に戻った。シルは本当にベッドで寝ていた。璃久は魔法の本を読みながら手の平に属性毎に魔力玉を作り込める魔力の量を調節しながら作っては壊しを繰り返し練習をして少しばかり疲れを感じた時にベッドに入り眠りについた
朝何時もより早めに璃久は起きて裏庭を借りて、朝の鍛錬を始めた、素振り迄を終わらせると町の中のランニングをして宿に戻った。シルはまだ寝ていたので、麦を発酵させた酵母を作りと小麦粉と塩、卵黄と水を使い創造魔法を使ってパンを作った。それから昨日買ったカタブツ(鰹節)1本を粉にして出汁に向きそうな茸を乾燥させて半分は粉にしてカタブツの粉と合わせダシ粉を作り、干し茸の残りはスライスしておく。次に小麦粉と塩と水とで創造魔法を使いパスタ麺を作り出した。マルレット(トマト)とオラニを使って創造魔法で煮込み、マルレットソースに仕上げた。璃久はやっと自分に与えられた創造魔法の使い方を覚え始めた。
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