神様の手違いで第二の人生が異世界

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シルが目を覚ました。 璃久『シル…おはよう』 シル『おはよう…リク。俺寝過ごしたかな?』 璃久『そんな事無いよ、少し試したいことがあったから僕が少し早起きしただけだよ』 シル『リク…朝から魔法使っていた?』 璃久『うん。まだまだだけどね、あれこれ作ってみた…パンも作ったよ、ただ魔法で一気に作ったから自分達用だね(笑)そう言えば今日の夕方に樽が出来上がるんだよね』 シル『そうだったな…味噌と醤油も造るんだったよな…楽しみだな』 璃久『じゃあまた市場で買い物してこようか?』 シル『何か欲しい物でもあるのか?あっ朝ご飯を買わなくちゃだな(笑)』 そうして璃久達は市場にやって来た。何時もより早くに市場に来た為に今朝使い切ってしまった物を補充する。またチチ(牛乳)、チチガレ(チーズ)の塊を見つけ買い求めた。野菜も森には無い畑で栽培している物を選んで買い求めた。小麦粉と塩と砂糖も忘れずに買った。 シル『リク…今日は随分と買い物したな!…あっ今朝何か造ったから何だね』 璃久『うふ…気がついたか(笑)あっ、オラニ(玉葱)キガレ(しょうが)とガール(大蒜)もあるね…買いだね』 シル『今日のお昼は期待していいのかな?』 璃久『そうだねぇ~パスタでも作るかな(笑)』 シル『パスタって何?』 璃久『お昼のお楽しみだよ…あっ!オリーブ油みたいな油を売っているな…でも高そうだね?瓶に入っているもの』 シル『リク…リーブ(オリーブ)の実なら最初の頃に沢山採取していたよ…多分、名前違うかもだけどさ』 璃久『えっ。ホントだリーブの油になっている…そうかオリーブか…でも買ってみよう』 璃久「お兄さん…このリーブの油って幾らですか?」 お兄さん「おっ!このリーブの油に目を付ける兄ちゃん!お目が高い王都で最近人気の油なんだよ。瓶代が高いから銀貨3枚なんだがこっちの樽でも銀貨3枚で良いよ」 そう言うと小さい樽を出して来た。 璃久「じゃあ樽で買うよ。一応ひとなめしても良い?」 お兄さん「勿論だよ…こちとら信用が第一だからね」 そう言うと樽の栓を外して小さじに少し油を入れて璃久に渡して来た 璃久「ありがとう…うんリーブの油だね!香りも良いね」 お兄さん「流石にリーブの油に目を付けたお兄さんだ!味と香り、良いだろう。今王都で流行りのリーブの油だよ!これは塩を少し合わせてパンに浸けても野菜に浸けても美味しくなるリーブの油だよ!炒め物でも香りが良い油だよ!」 お兄さんはここぞとばかりに大きな声で宣伝した。僕はニコニコしてお金を払い樽を受け取る。人が集まって来たのでそっとその場から離れた。 シル『リク…自分でも造れるのにどうして買ったの?』 璃久『そうだねぇ~確かに僕が造った方がもっと香りも油の鮮度も良いと思うけどね…何となくあのお兄さんの手伝いをしたくなったんだ。リーブの油があるとパスタを広め易いかなってね(笑)主食を増やしたいんだよね、同じ小麦粉で出来て保存が利くからね。ちょっと野営には向かないんだけどね』 シル『えっ!パスタはお昼に作ってくれる予定だったよね?』 璃久『僕達は魔法で鍋の湯を直ぐに沸かせるし茹で汁も活用出来るけど、普通には無理でしょう。お店や自宅向きなんだよね』 シル『お昼を楽しみにしているよ(笑)』 璃久『結構時間かかったから、朝ご飯は昨日の昼のスープと僕が作ったパンにジャムでも良いかな?シル』 シル『リクのパンとジャム!昨日のスープまだ残っていたの!充分だよ早くに宿に戻ろうよリク』 璃久『そうしようね(笑)』 璃久とシルは宿に戻り今朝作ったパンにジャムとリーブ油に塩と昨日のスープで朝ご飯を食べる。 シル『リク!パンが柔らかくて美味しいよ、ジャムでもリーブ油と塩、どっちも美味しいねぇ~びっくりした!』 璃久『パンはやっぱりこれだよね。どうしたら良いかは教えられないからなぁ~多分水分と捏ね方に問題があるんだろうけどね?パンは流石に作った事無いからなぁ~2人の秘密だね(苦笑)』 シル『仕方ないよね…でもこれからはリクのパンが食べたいな(笑)』 璃久『2人だけの時だけだよ…シル。やっぱり出汁と麺作りかなぁ~僕が教えられるとしたらだけどね』 シル『お昼が楽しみだなぁ~早くギルドに行こうよ…リク』 璃久『そうだね…今日も採取依頼頑張ろうね(笑)』 2人は機嫌良くギルドに向かった。薬草採取依頼を見ると南西側の森の採取依頼が何枚も溜まっていたので南西側の森の依頼書を剥がしてリーチュさんの所に向かった。 璃久「リーチュさん…南西側の森の採取依頼溜まってますね。僕が受けて大丈夫ですか?」 リーチュ「リク君…受けてくれるの?距離がある上に依頼料が安くて受けてくれる人が少ないのよ。リク君が受けてくれると助かるわ」 璃久「分かりました。ではこれ全部受けますね、気がつかなくてごめんなさい」 リーチュ「いやいや、何時も採取依頼受けてくれるリク君にはこちらが感謝だよ…何時もありがとうね。じゃあ気をつけて行って来てね」 璃久「は~い。夕方には戻りますね」 璃久『南西側の森はこの町に来るとき通った森だよね…シル』 シル『そうだな、町が近付いていたから、余り採取していなかったよな?』 璃久『そうだったね…僕も覚える事が多すぎて余り記憶に残ってないかなぁ』 そんな事を話しながらも軽くランニングしながら1時間位で南西の森の入り口に辿り着いた何時ものように魔力を抑え森の探索を始める。そこから森の中へと入り微弱な薬草の魔力を探す、この森は国境近く迄続いているようで余り深く入らないように注意しながら薬草採取を進めて行く。シルも僕より探索の範囲は広いので時々注意をしてくれる。薬草採取その物はそれ程難しい物では無い。シルに注意されるのは果実や木の実、茸等の採取で夢中になっている時が殆どだ。薬草の種類が森によって微妙に違っているんだなぁ…勿論同じ薬草もあるけれど、ここにしか無い薬草採取が依頼内容だった。薬作りにはまだ余り手をかけていない。勿論傷薬とか鎮痛薬は直ぐに作ったけどね。 シル『リク…この先の川でお昼にしようよ』 璃久『あはは…シルはパスタが食べたいんだよね、肉は無しで良いの?』 シル『今日は無くてもいいよ…その分パスタ多めにしてくれる?』 璃久『はい、はい…トマト…いやマルレットソースのパスタだからね(笑)』 そうして璃久達は昼休憩を川の傍でいつも通り竃を作ると璃久は火をつけ大きい鍋に魔法で水と火を使いお湯を入れていく。たっぷりのお湯は直ぐに沸いてそこへ多めに塩を入れると収納からパスタの麺を鍋に入れる。フライパンを出して朝に買ったリーブ油を入れるとガール(大蒜)のみじん切りトラカラ(唐辛子)の輪切り少しを入れマルレットソースを適量入れハーブ塩、胡椒で味を整えると茹で上がったパスタの麺をトマトソースの中に入れざっくりと混ぜ火から降ろした。テーブルの上に大きめの器に出来上がったマルレットソースのパスタを乗せてバジルの葉をちぎり出来上がった。 麺の茹で汁を小鍋に移し味を見て収納からダシ粉(鰹節と干し茸)を出し少し入れリーフ(レタス)をちぎり卵白を溶いて塩胡椒で仕上げカップに注ぐ。 璃久『お待たせシル…マルレットソースのパスタとスープを召し上がれ』 シル『ふぁ~凄く良い匂い…凄いスピードでリク、動いていたね。いただっきます…もぐもぐ…リク凄く美味しい…』 璃久『何とかなったな(笑)シルが気に入ってくれて良かったよ』 シルは初めて食べたパスタを夢中で食べている…口の周りを赤くしている事にも気がつかない。そんなシルを璃久は嬉しそうに見て自分も久し振りのパスタに満足していた。 シル『本当に美味しかったよ…リク。前の世界では普通の食事なのかな?』 璃久『そうだね…僕のいた日本の食事は豊かだったからね、再現しきれない位種類も味も豊富だったよ(笑)シル口の周り濡れたタオルで拭くか、洗った方が良いよ…赤くなってるよ(笑)』 シル『えっ!早く言ってよ…リク』 シルは川で口の周りを洗っている…その間に後片付けを始める茹で汁は冷やして塩分だけを取り除き収納して残りは土に穴を空けて捨て竃等も元に戻した。
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