【7】

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【7】

 ダイチとまた二人になった。  モモが付いて行ったのは、きっとそういう事だ。  私は、そんな二人の優しさに少しイラついた。  私は、ダイチと向かい合って座る形になった。 「ハルカ・・・」  って、ダイチ。 「ハルカは、何で、翔太なの・・・?」  って。  ドキッとした。  ダイチは気づいてた。  隣にいたから・・・。  でも、私は、放っておいて欲しかったし、知らないフリをして欲しかった。  雨が強くなって、ザーっと音も強くなる。 「俺さ、 ハルカのこと・・・」 「雨・・・ 強くなったね・・・。 アトラクション、もう無理かなー・・・」  って、被せるように、あまり意味の無い事を言ってみた。  雨のせいにして、聞こえないフリをした。  ダイチが、 「そうだね。 うん。分かってる・・・」  って答えた。  我ながら酷い。  でも、どうしてもこの場所から私は動きたく無かった。  ダイチとは、このままがいい。  このままの4人でいなきゃ、私はダメなんだ・・・。
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