3人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
【8】
翔太とモモが、かわいらしいキャラクターの傘を買って来て、結局みんなそのまま帰る事になった。
翔太とモモが一緒の傘に入り、
ダイチと私が、私の傘に入った。
ダイチが車道側を歩いて、左肩が凄く濡れていた。
無言で私はダイチの方に傘を押し返したけど、また押し返された。
ダイチは、そんな風にいつも優しいし。
翔太は誰にでも優しいし、モモも、みんな、きっとダイチと私が純粋に上手く行けばいいと思っていて、そう思って無いのは私だけなのかもしれない・・・。
いっそ、私の気持ちがそう変わってしまえばいいんだけど、
そんなに簡単に上手く行くものじゃなかった・・・。
きっとダイチの事も傷つけてるんだ。
私だけ、優しくも無いし、いい人でも無い・・・。
何だか、泣きたくなった。
傘を挿してるから、ダイチが濡れないようにしてくれているから、雨のせいに出来なかったから、私は上を向いて涙をグッと堪えた。
最初のコメントを投稿しよう!