ホワイトムスクの午后

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上杉さんはナイフで大き目に切ったパンケーキを口に入れた。 一緒に出してくれたコーヒーから立ち上る湯気が窓から差し込む光に照らされてゆらゆらと揺らめいていた。 私も一口大に切ったパンケーキに蜂蜜を乗せて食べた。 表面がサクサクで美味しい。 パンケーキなんて食べたのは何年ぶりだろうか。 「女性の身体に蜂蜜を塗って舐めるって…。あれは男性の願望としてあるモノなんですか」 上杉さんは突然、突拍子も無い事を訊いて来る。 これも彼女の特徴の一つ。 「は…」 私は顔を上げて上杉さんを見た。 「AVで見た事あるんですよね…」 上杉さんの表情に冗談めいたモノは無い。 真剣に質問しているのだとわかった。 「蜂蜜だけじゃなくて、ホイップクリームだとか、そういう甘いモノ…」 私は頭を掻いて、少し考えた。 特殊なAVだとは思うのだが…。
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