ホワイトムスクの午后

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「甘い夜とかって言いますモンね」 上杉さんはまたパンケーキを口に入れる。 一口が大きいのが気になる。 私は湯気の上がるコーヒーを手に取り飲んだ。 「その場合の「甘い」は二人の気持ちの問題だと思うんですけどね…。物理的に甘いってのは…。ベッドもベトベトになりそうですし」 私も真面目に答えると、 「そうなんですよね。そのあと身体を洗うのも大変そうですし、毛とかに着くとねぇ」 私は冬のアフタヌーンティの話題には少しハードに思えた話題に苦笑した。 そして、その状況がある意味、異端である事に気付く。 「何か、不思議ですよね」 「何がですか」 上杉さんはナイフとフォークを置き、頬杖を突く。
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