16人が本棚に入れています
本棚に追加
ホワイトムスクの香りが漂う部屋。
割と冬の午後に合う香りだという事がわかった。
私はソファで溜まっている本を手に取り、何となく読み始める。
パンケーキを食べ終えた食器を洗い、上杉さんは私の横に座った。
「あ、それ、イマイチでしたよ」
読んでいる横でそんな事を言い始める。
まあ推理モノでも何でもないのだけど。
私は手を止めて、本に栞を挟んだ。
「イマイチって言われてしまうと、読む気が失せてしまいますね」
最初の方を読んだ時点でイマイチな事はわかっていたのだが…。
「あ、私、これまだ読んでないですね…」
と上杉さんもテーブルに積まれた本、いわゆる献本と言われる本を手に取る。
最初のコメントを投稿しよう!