ホワイトムスクの午后

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「だからね。その眠いのを何とかするためにコーヒーやタバコを口にするんですよ」 私はまたグラスを手に取り飲んだ。 「なるほど…。昔から作家という人は睡眠時間が短かったと言われてます。先生もそれかな…って思ってました」 私はテーブルの上のタバコに手を伸ばした。 「確かにそうですね。けど、その多くはお酒が好きで、飲んで眠ってしまっていたりしたんでしょうね。私は普段は殆どお酒を飲まないでしょう。その代わりコーヒーをずっと飲んでますね」 私はタバコに火をつけた。 「このコーヒーとタバコの組み合わせは胃に悪いと言われてますが、本当のところはどうなんでしょうね」 上杉さんは微笑んで、グラスを置くと、優しく微笑んだ。 「長生きして下さいね。先生の作品、ずっと読んでいたいので…」 私は、苦笑してタバコの灰を灰皿に落とした。
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