ホワイトムスクの午后

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「太麺って言えばつけ麺なんかは麺が太くないですか」 上杉さんは少し考えて、 「私、つけ麺は食べた事無いかもしれません。ラーメン自体もそんなに食べないですし…」 結構カップ麺なんかを食べる私からしたら意外だった。 「美味しいですよ。まぁ、店に寄るのでしょうが。私はつけ麺は熱盛ですね。スープ割ってのが出来る店もあって、これが美味しいんです」 私はカップ麺のスープを飲む。 「アツモリ…ですか…あの人間五十年ってやつですか…」 私はじっと上杉さんを見た。 「冗談ですよ。知ってますよ。同じ事を雑誌の担当をしてる友人に訊いて、笑われた事あったモノで。先生にも笑ってもらえるかと思って言っただけです」 私は無言でラーメンをすすった。 上杉さんも硬いラーメンを口に入れていた。
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