第二章:予感

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 貼り付けてあったSNSを読んで、あなたが 近くにいることを知りました、と。  あなたがよく足を運ぶその緑道公園は、 自分にとっても癒しの場所です、と。    正直に綴ってしまっていいのだろうか?  蛍里はそこまで考えて、唇を噛んだ。  もしかしたら、自分の身辺のことまで詮索 し立ち入ろうとする蛍里を、彼は不快に思う のではないか?  決して必然ではないにしろ、蛍里は詩乃守 人の素性を知りたいと思いながらSNSを覗き、 そこで彼の生活圏を突き止めてしまったのだ。  付き纏う気などまったくなくても、相手に 気持ち悪いと思わせてしまうかも知れない。  蛍里は書き込んだ宛名を消して、パソコン を閉じた。 ーー嫌われるのが、怖い。  せっかく、あなたと繋がっていたいと、 そう言ってもらえたのに、それ以上を求めた せいでこの関係が終わってしまうのが、 どうしても怖かった。  蛍里はベッドに躰を預け、枕に顔を埋めた。  目を閉じた瞼の裏に、知らないはずの、 その人の顔が浮かぶ。  会いたい。  会って、話してみたい。  一度芽生えてしまったその想いは、簡単に 消えてくれそうになかった。
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