真実

1/15
前へ
/87ページ
次へ

真実

翌週の土曜日、仕事がお休みだから、 トモキと待ち合わせをした。 「確か…この辺りで待ってて!って言ってたなぁ」 「マコ〜」 「あ〜良かった。ココじゃないのかと思った。」 「良かった、会えて!今日はよろしくお願いしま す。」 「こちらこそ、よろしくお願いします。」 「どこのお店行く?」 「あまり高くなくても良い商品があると思うのよ。 高いのは、腕時計ぐらいでいいんじゃない?」 「そうだな、マコに任せるよ。」 「じゃあ、ショッピングモールへ行こうよ。 色んなお店が入ってるから、選び易いよ。」 「分かった。じゃあ車で行こう!俺、車で来たから…」 「そうなんだ、ありがとう、助かる。」 そう言って、道路脇のコインパーキングに停めてある車に乗ろうとするトモキ。 「え?これトモキの車?」 「うん、どうぞ」 もしかして、これが有名な高級外車か! かなりのお値段がするであろうスポーツカー 「すごい高級車に乗ってるんだね?」 「うん、あ、コレじゃなくて国産車の方が良かった?」 「え?車は、走れば大丈夫だよ。」 「ハハハハ、確かに…」 「でも、一応、私、自動車メーカーでOLしてるんだよね。」 「え?そうなんだ。どこ?」 「◯社」 「あ、四駆は、◯車だよ。」 「お買い上げありがとうございます。 もしかして…トモキって、社長さん?」 「うん、一応。」 「やっぱり〜すごいね。頑張ったんだね。車は、 いったい、何台持ってるの?」 「うん、あと2台。」 「えー!3台もあるの?」 「コレは、走る用で、仕事用のと、四駆と…」 「ふふふ、そうなんだ…なんか住む世界が違うんだけど…」 「そんなことないよ。俺は、マコに見合う人間になる為に、必死で頑張ったんだよ。」 「え?何言ってるのよ。リップサービスもさすがだね。」 「いや〜〜」 『本当なのに…マコに会う為だけに頑張って来たんだよ』
/87ページ

最初のコメントを投稿しよう!

513人が本棚に入れています
本棚に追加