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真実
翌週の土曜日、仕事がお休みだから、
トモキと待ち合わせをした。
「確か…この辺りで待ってて!って言ってたなぁ」
「マコ〜」
「あ〜良かった。ココじゃないのかと思った。」
「良かった、会えて!今日はよろしくお願いしま
す。」
「こちらこそ、よろしくお願いします。」
「どこのお店行く?」
「あまり高くなくても良い商品があると思うのよ。
高いのは、腕時計ぐらいでいいんじゃない?」
「そうだな、マコに任せるよ。」
「じゃあ、ショッピングモールへ行こうよ。
色んなお店が入ってるから、選び易いよ。」
「分かった。じゃあ車で行こう!俺、車で来たから…」
「そうなんだ、ありがとう、助かる。」
そう言って、道路脇のコインパーキングに停めてある車に乗ろうとするトモキ。
「え?これトモキの車?」
「うん、どうぞ」
もしかして、これがカノ有名な高級外車か!
かなりのお値段がするであろうスポーツカー
「すごい高級車に乗ってるんだね?」
「うん、あ、コレじゃなくて国産車の方が良かった?」
「え?車は、走れば大丈夫だよ。」
「ハハハハ、確かに…」
「でも、一応、私、自動車メーカーでOLしてるんだよね。」
「え?そうなんだ。どこ?」
「◯社」
「あ、四駆は、◯車だよ。」
「お買い上げありがとうございます。
もしかして…トモキって、社長さん?」
「うん、一応。」
「やっぱり〜すごいね。頑張ったんだね。車は、
いったい、何台持ってるの?」
「うん、あと2台。」
「えー!3台もあるの?」
「コレは、走る用で、仕事用のと、四駆と…」
「ふふふ、そうなんだ…なんか住む世界が違うんだけど…」
「そんなことないよ。俺は、マコに見合う人間になる為に、必死で頑張ったんだよ。」
「え?何言ってるのよ。リップサービスもさすがだね。」
「いや〜〜」
『本当なのに…マコに会う為だけに頑張って来たんだよ』
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