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仕事をしていても、無意識のうちに、ボーっと凌也を眺めてしまっていることがある茉子
凌也と目が合って慌てて我に返る。
わざわざ近くまで来て、「何?見惚れてるの?」と、
嫌なことを言う凌也
「ち、違います!」
「ふ〜ん」
『ダメだ。さっき聞いたことが頭から離れない。
どうしよう…』
それから、少し仕事が忙しくなった。
忙しい方が仕事に集中できるから、余計なことを考えなくて済むから良いと思った。
怒涛の仕事をこなし、あっという間に夕方。
『最近は、ゆる〜く仕事をしていたのに、なんだったんだ!』と思った茉子。おかげで集中できた。
帰ろうと思った時、今度は、凌也が茉子を見ている。
茉子は、近づき、笑いながら…
「何見惚れてるんですか?」と、凌也に囁く。
仕返しだと思った茉子。
「そうなんだよ。」意外な返事に…
「!!…何言ってるんですか?」
「え?言っただろう?自分の気持ちに正直になる!って宣言したから…」
「こんなところで…」
「そう?聞かれたから返事しただけだよ。」
『この人、どうしちゃったんだろう?』と思ってしまった茉子。
以前とは、全然違う。もちろん2人だけだった時は、さすがにラブラブしていたが、会社でこんなことを冗談でも言う人ではなかった。ずっと隠していたから…
「もう帰るの?」
「はい、ようやく落ち着いたので…」
「あー今日は、忙しかったなあ〜ご飯でも行かない?」
「何言ってるんですか?」
「え?聞こえなかった?ご飯、行かない?って誘ってるんだけど…」
「聞こえてますよ!そうじゃなくて…こんな時に、もし、お嬢様や社長さんに一緒に居るところを見られたら…」
「俺は構わないよ!」
「…」
「彼、まだ毎日、帰って来るの遅いの?」
「今日は、遅いと思います。今、忙しいから…」
「なら、少し話したい!」
強引に誘うようになってきた凌也
茉子は、迷った。
「もう、泣かせたりしないから…」
まだ、会社には数人の人が残っていた。
これ以上、誰かに聞かれたら…
茉子は、そう思って、「分かりました。」
「よし、すぐ用意する。下で待ってて」
「一緒に出るんですか?」
「うん。」
なんだろう、開き直ってるような気がした。
凌也がオープンな付き合いにしようとしてる!と思った茉子だった。
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