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「私は…」
スッと出てこない。
「彼のこと、好きなの？」
「好きだよ。じゃなきゃ一緒に居ないよ。」
「それって…同志みたいな感じじゃないの？それとも同情？」
「え？」
少し胸が痛んだ…
そうかもしれない…という思いは、茉子も感じていたからだ。
自分が凌也とのことから抜け出したくて、智輝を利用したのかもしれない。
はじまりは、そうだったかもしれない。でも、ずっと一緒に居るようになって、優しさに甘えて、どんどん好きが増えていった。
ーと、思っていただけなのかもしれない。
智輝に『ずっと好きだった』と言われて、
心地よかったのだろう。
甘えてたんだ。
「私、最低だね」
「そんなことないよ。茉子に寂しい思いをさせたのは、俺だし…誰だって、優しくされれば、そうなる。俺だって、昇進する為に、お嬢さんを利用したと、言われても否定出来ないよ。」
「何してるんだろう、私たち…最低だね。」
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