真実

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車は、思ったより快適な乗り心地で、さすが高級車だなぁと思ったマコだ。 ショッピングモールに到着し、爽やかな印象になるように、ベージュと白で合わせてみた。 「あ〜いいじゃん、背も高いからすごくカッコイイよ。」 「そう?」 照れながら笑っているトモキ。 「大きくなったね?」 「ハハ、180㎝はあるな」 「すごいね〜中学生の時は、まだ小さかったのに…」 「お母さんかよ。」 「ふふ」 この前の高級感漂う黒の革製品づくめとは、全く違う感じで柔らかい印象になった。 今日は、サラッとセーターを着て、Gパンを履いていたが、まだまだ高級感が溢れている。 どうも成り金感が鼻につく。 悪くはないのだが、マコのタイプではない。 上下と靴まで合わせて… 全身着替えて、「このまま着て帰ります。」 と、言っているトモキ。 「何パターンかセットしてくれない?」とトモキ。 「OK〜」と、マコは、紺と白のパターン、 グレーと黒、白のパターン、と3パターン、定番の感じで合わせてみた。 トモキには、あまり柄物は似合わないと思った。 「うんうん、どれもいい感じ。似合ってるよ。」 「良かった。」 大人買いしている 「う〜ん、あとは、出来れば、髪型も変えて欲しいなぁ」  「え?そっかー」   「うん、服装が変わったから、髪型も…」 「分かった。でも、今日は時間がかかるし…」 「ついでだから、いいよ。一緒に行って説明してあげる。」 「マジ?」 「うん、もっとカッコよくなったところを見てみたいもん。」 「じゃあ、お願いします。」 そう言って、理髪店ではなく、美容院へ行った。 お店の人に、カタログを見せてもらいながら説明し、髪質を考えて相談し、お願いした。 カットが終わり、あとは、仕上げだから、楽しみだ。 その間にトイレに行っておこう。 帰って来ると…とてもカッコ良く仕上げてくださっていた。 「こんな感じでいいですか?」と、マコに聞かれ、 「はい、すっごくいいです。ありがとうございます。」と、思わず答えてしまった。 2人でお礼を言って、お店を出た。
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