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「おはよう!」と後ろから吉岡さんがきた。
「おーおはよう!」
「あ、おはようございます。」
「何、何?もう元サヤ?」
「ハハッ」
「いえ…」顔を見合わせる凌也と茉子
ニコッと笑う凌也。笑えない茉子。
「ふふ、やっぱ仲いいなぁ〜2人お似合いなんだよな〜早く落ち着くといいな。大丈夫か?お嬢様の方は…」
「うん、今のところ、何の音沙汰も無い。」
「このまま何もなければいいな。俺は2人を応援するよ!」
「ありがとう。」ニコニコ笑う凌也。
複雑な顔をする茉子。
会社に着き、吉岡さんと別れる。
凌也と別れて、更衣室へ向かう茉子。
「ありがとう」一言だけ言ってエレベーターを降りる。「おー!」
着替えて席に着く。
まだ、他には誰も来ていない。
駅前で買った朝食のサンドイッチを食べる茉子。
「あー美味そう」
「食べてないの?」
「うん」と見てる。
仕方ないから半分あげる。
「ん!」
「サンキュー」
代わりに、「はい、どうぞ」と、コーヒーを淹れてくれた。
「ありがとう」
「朝は、コーヒー大丈夫なんだよな?」
「うん」
そんなちょっとしたことが嬉しかった。
また、智輝のことを思い出して泣きそうになった。
「え?もう泣くなよ。」
「あ、ごめん。大丈夫!」と堪えた。
不思議だなぁ〜あれだけ、お嬢様のことを彼女だと思っていて、ずっと1番になれないって思ってたのは、なんだったのだろう?
元彼が会社で、半分個したサンドイッチを食べて、
モーニングコーヒーを淹れてくれた。
「ふふ」
「ん?」
「何?この状況?」
「ホントだな。不思議な関係だなぁ〜」
「うん」
「とりあえず、今日、彼と話したら連絡して!」
「え?う〜ん…」
「週末、俺んちに引っ越しな!」
「そんな、勝手に決めないでよ。どこか探すから…」
「まあ、ホントに頑固だな!」
「凌也だって、まだどうなるか分からないじゃない!だから、とりあえず新しい所、探すよ。」
「じゃあ、どっちにしても週末引っ越しの手伝いをするから…」
「ありがとうございます。」
「サンドイッチのお礼だから…」
「え?ふふっ」思わず笑ってしまった。
同じ部署の人が来られたので、凌也は席に戻り、ようやく仕事を始めた。
きっと、また泣きださないように、見てくれてたのだろう、と思った。
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