506人が本棚に入れています
本棚に追加
話し合い
智輝にメールを入れておいた。
『分かった。また連絡する』
忙しいのだから、時間は取れないかもしれない。
でも、話さなきゃ何も進まない。
茉子は、お昼休みに携帯電話で、すぐに入れる賃貸マンションを探す。
しかし、どこも条件が厳しい。
ずっとスマホを触っていたから、お昼ご飯も進まない。いつもは、お弁当なのに、久しぶりに食堂で食べた。
「茉子、珍しいね」と、先輩が前の席に座る。
「あー今日は、お弁当を作る時間がなくて…というか、しばらくは、作れないかもです。」
「どしたの?」
「マンションの契約期限が今週末だから、出なきゃいけなくて…」
「え?そうなの?」
「はい、で、探してるんですけど、条件が厳しいですね。」
そう話してると、凌也が来た。
「吉本さん!うちのマンションに空きがあるみたいだよ。大家さんの知り合いが1年間留守するから、その間だけだけど…その分、お安くしてくれるとか…」
「えーいいじゃん!そこにしたら?」と先輩。
少し怪しい、と疑う茉子、凌也がニヤついている。
「そうですね…」
「お願いします、この子困ってて…」と先輩。
「分かった、すぐに連絡しておくよ。」
決まってしまった…
それは、本当に凌也のマンションの1室?それとも、凌也の部屋じゃないだろうね?と疑う。
一応、ホントに凌也のマンションの1つ下の階らしい。なら、いいか…しかもお安くしてくれるなら有り難い話だ。
そして、夕方、智輝から
『仕事、途中で抜け出せるからご飯を食べながら、話そう!』と返信が来た。
『了解。場所と時間、指定して!』
『定時に迎えに行く』と来た。
「え?」わざわざ会社まで…仕方ない、とにかく話さなきゃ。
凌也に、その旨を伝えた。
「そっかー、分かった。気をつけて!何かあったら、すぐに連絡しろよ。」
「はい」
最初のコメントを投稿しよう!