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会社の近くで待っていると…今日は、仕事車のはずなのに、わざとなのか?スポーツカーで来た。
会社の人に見られるから、少し離れた場所で乗り込んだが、結構目立つ車だから…
「お待たせ〜」
「いえ、ごめんね、忙しい時に…」
「ううん、茉子より大事なことはないから…」
「…」
なんだろう、もう何も響かない。
皆んなにそう言ってるのか?と思うと腹立たしい。
また、いつもながら高級店をチョイス。
と、いうか智輝が行くお店は、全て高級店なのだろうと思った。やはり、最初から住む世界が違う。
高級料亭のようだ。
当然のように、VIP待遇の特別室のようなお部屋へと案内される。
こういう話をするには、好都合だと思った。
「何か食べたいものある?」
「ううん」
「じゃあ、おススメで!あ、少し話をしたいので、一度で運んでいただける物にしてもらえると、助かります。」と頼む智輝。
「かしこまりました。」
「昨日ごめんな、いつ出て行ったの?」
「朝早く」
「どこへ?」
「マンションに戻っただけだよ。」
「そっかー、いつ帰って来る?」
「もう帰らないと思う。」
「どうして?」
「分からない?」
「分からないから聞いてるの。」
「智輝は、いつもあんな感じなの?」
「あんなって?」
「まさか、覚えてないわけないよね?」
「え?ごめん、ホントに覚えてないんだけど…」
「私の目の前で他の女の人と何度も何度も濃厚なキスをして、車から降りて来たことも?」
「え?」
「嘘でしょう?」
「なんかさあ、俺、酔っ払うと全然人格変わるらしいな、よく言われる。キスしたよね?って…」
「どこの誰かも分からない人とキスしまくってるの?」
「もしかしたら、酔うとそうかも…だから、あまり飲まないようにしてたのに…」
「じゃあ、酔っ払ってたらHだってしてるかもね。」
「そうかもしれないなあ」
「は?何言ってるの?じゃあ、あちこちに女の人が来て、あなたの子よ!って言われても覚えてないってこと?」
「あーそうかもなあ〜もちろん、調べるけど…」
「そういう問題じゃない!覚えてないのが問題よ!酔っ払ったら誰でもいいの?」
「そんなことないよ。茉子の時は酔ってなかった!ずっと憧れだったから、夢が叶ってホントに嬉しかったんだよ。」
「でも、それからもずっと、あちこちの女の人と…」
「それは分からないなぁ〜」
「バカなの?分からないで済まされないことでしょう?」
「意気投合すれば良いんだろ?」
「…最低!智輝って、そんな人だったの?私が知ってる智輝じゃないよ。」
「俺はずっとこんな感じだよ。茉子と久しぶりに会ってホントに嬉しかった。でも、茉子の中には、まだ元カレが居るよな?そう思うと耐えられなかった。それを癒やしてくれるのは、他の女達だよ。」
「私のせいなの?女達…そっか…そうだよね。私だけじゃなかった。たくさんいる女の人達なんだね。
ごめんね、お役に立てなくて…今までありがとう。
短い間だったけど、私は楽しかったよ。仕事ばかりしてカラダ壊さないようにね!お元気で!さよなら!」
茉子は、お店を出てタクシーを拾って乗った。
「お客さん!どちらまで?」
凌也のマンションを伝えていた。
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