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どうして、こんな所まで来たのだろう。
バカだな私…
「帰ろう。」
駅まで歩こうと思ったら、前から凌也が帰って来た。
「茉子!どした?」
顔を見たとたん、涙が溢れた。
抱きしめてくれる凌也。
「なんで、電話して来なかったんだよ。」と、更に強く抱きしめてくれた。
「あ、ごめん、帰るね。」
「帰せるわけない!」と、手を引いて凌也のマンションへ
「入って!」と、部屋を暖めてくれる。
「晩飯、何か取ろうか?」とスマホを触る。
「何にする?」とスマホ画面を見せる凌也。
ボーっとしながら、一緒に見る…
「これ美味そう!」と、ハンバーグの写真を指差す
凌也が子どもみたいに嬉しそうだから、思わず、
「これにする?」と言う茉子
「うん、じゃあコレにしよう!」と、注文してくれた。
「ごめんね、突然、来ちゃって…」
「ううん、待ってたよ。話せたか?」
「うん」と言うのと同時に涙が流れた。
思わず抱きしめる凌也
黙って、抱きしめて頭を撫でる
しばらく泣いたら、落ち着いた茉子
じっと、茉子が話すまで待ってる凌也
「大丈夫か?」
「私、バカだよね〜知らなかった、あの人、酔うと誰でもいいみたい。だって覚えてないんだもの。キスだけじゃなく、あちこちの人としてるかもね…」
そういうとまた、涙が溢れた。
「それに…『茉子の中にはまだ元カレが居て、耐えられなかった。それを癒やしてくれるのは、たくさんの女の人達なんだ!』ってハッキリ言われた。」
『元カレが居る!』
「茉子!」と抱きしめられ…キスされた。
「俺は茉子じゃなきゃ嫌だからな!」
そう言われると又、涙が溢れた。
「もう、泣かせないから…」
顔を見る茉子
「これは、俺のせいじゃないからな。」
「そうだね…」
「もう離さない!絶対に!」
「…」
「ん?」
「いいのかなぁ?」
「良いに決まってる。アイツには、感謝しなくちゃな、茉子が戻って来てくれたから…」
「…」
「茉子、大好きだよ。」
黙って抱きついた。まだ、『好き』とか『愛してる』とか言っちゃいけない気がしてたから…
ピンポーン
「あ、ハンバーグ〜」と、嬉しそうな凌也
「子どもみたい。」
「ふふ、待っててね。」チュッ
「え?」驚いた。
はしゃぐ凌也が愛おしく感じた。
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