506人が本棚に入れています
本棚に追加
金曜日の夜、凌也の車でタワーマンションへ
「ホントにすごいマンションだなぁ〜」と驚く凌也
「すごいよね〜」
「彼が頑張ったのは、ホントだもんな」
「そうだね…」
入口で部屋番号を押し、松田さんを呼ぶ。
「6階までお上がりください。」と…
コンシェルジュさんの居る6階で待つ。
「あー茉子様、お待たせ致しました。」
「あ、松田さん、お手数おかけして申し訳ありません。」
「いえいえ、大丈夫ですよ。」と、台車に乗せて持って来てくださった。
「はじめまして、山上と申します。」
「はじめまして、松田と申します。」
「お手数おかけしました。」と凌也
「いえいえ、これぐらい、なんてことございませんので…こちらこそご足労いただきまして、ありがとうございます。」
『茉子様のお相手が、しっかりされた方で良かった。
幸せになって欲しい』と思う松田。
「それでは、私は…」
「あ、あとで台車をお返しに…」
「いえ、結構です。そのままお持ち帰りいただいて構いませんので…」
「ありがとうございます。」
「私がこんなことを言うのも、アレですが…どうぞお幸せに〜」
「ありがとうございます。」
「ありがとうございます。お世話になりました。失礼します。」
「良い人だな。」
「うん、すごく良い人。」
『松田さん、ありがとう』と茉子は、後ろ姿を見送った。
家に帰って、糠床、お味噌、梅干しを確認。
きっと松田さんが手入れしてくださっていたのだろう。
糠床には、胡瓜が漬けられていた。
お味噌も熟成され、良い風味で綺麗なままだ。
梅干しもカビないように、チェックしてくださっていたのだろうと思った。
さすがだ、1つ1つ丁寧に…
時間をかけて、ようやくこの状態になったのだから…
そのことが分かるのは、作ったことがある人だけ。
無駄にならなくて良かった。
『松田さん、ありがとうございました』
感謝しかない。
最初のコメントを投稿しよう!