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「大丈夫か?」
「うん、良かった」
「茉子からあんな電話があったら、戻るに決まってるよ。」
「唇、奪われなかった?」
「うん、大丈夫だよ。危なかったけど、しっかり阻止したから!」
「そうなの?」
「うん、でも、どうして?すぐに戻って!って…」
「山口先輩が私たちの会話を給湯室で聞いてたんだって。だから、白状したの。そしたら、お嬢様なんて、わざと皆んなが呼んでるだけで、ホントは、あちこちで遊んでる女よ!って…だから、行かせちゃダメ!って…」
「そっか…やっぱりそうだったのか?」
「気づいてたの?」
「俺の前では、社長も居たことが多かったから、しおらしくしてたけど、なんとなく?この人は、男慣れしてるな!って、ずっと思ってたんだ。だから、雰囲気に飲まれちゃいけない!って毎回思ってたから、わざと、お父上の居る時に会うようにしてた。」
「2人キリになったことないの?」
「ある!その時に、わざと胸元を見せたり、当たるようにくっついて来たり、ボディータッチがやたら、多くて…」
「よくそれで凌也が耐えられたね?」
「茉子のことばかり考えてた時だったから…
なんの色気も感じなかった。いかにもって感じで気持ち悪かった。
俺は茉子に誤解されたままなのがイヤで茉子を取り戻すことしか考えてなかったから…」
「凌也…」
「茉子のことを諦めてたら、きっとお嬢様を抱いてただろうな…」
「キス、された?」
「ごめん、それは、随分前に、された。」
「だよね。」
「だから、二度とさせないように気をつけてたんだよ。もう茉子しかイヤだったから…」
「そっか…ありがとう。凌也、ごめんね。
私…勝手に誤解して別れるって、智輝と…」
「言うな!俺は、責めない!茉子をそんな風にしたのは、俺だ!いつまでも、ハッキリ出来ずに3年も…
茉子が、ココに居てくれるだけでいいって言っただろ?」
「凌也の気持ち、知らなかった…」
「だから、もういい!俺は、茉子が好きだから…いつでも飛んで来る!」
強く抱きしめて、何度も何度もキスをする凌也
「茉子、愛してる。離さない!」
「う、ううう…」止めどなく涙は流れる
「ずっと、ずっと、3年前から変わらない!」
「うん…」
何度もキスをする
2人の気持ちを確かめるように…
「茉子〜!山上さ〜ん!どこ〜?」
「あ、先輩が探してる」
「ちゃんと話さないとな…山口さんには…」
「うん」
ようやく、茉子は、涙を拭いて…
もう一度、軽くチュッとする凌也
「ふふ、もうダメだって…」
「ふふ、行こうか。」
「うん」
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