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『社長より、先日の新規参入の仕事の件、茉子様のアイデアだということで、軌道に乗って来ましたので、
アイデアを買い取らせていただきたい!とのことです。つきましては、その件に関する覚え書きにサインをしていただきたいのと、振込先を教えていただきたい!とのことです。』
『お気持ちだけで結構です。』
『ビジネスのお話ですので、社長はきちんとされたいようです。今後、請求されませんよう覚え書きをお願いしとうございます。』
『今後も請求することはありません。』
『皆さん、最初はそうおっしゃいます。あとで揉めない為にも、どうかお受け取りいただき、サインをお願いします。頂かないと私が怒られますので、何卒宜しくお願いします。』
「どうしよう?凌也」
「くれる!って言うなら貰っておけば?彼にとっては、端た金だろうし…彼が納得するから手切れ金としてもらっておいたら?いくらだろうね?」
「さあ?松田さんに電話してみようかなあ?」
「してみたら?」
そう言われて、電話をかける茉子
「松田さん、今、お電話大丈夫ですか?」
「はい、大丈夫でございます。」
「私…分からないのですが、こういう場合もお金が発生するのですか?」
「はい、我が社では、いつも買取りという形を取っておりますので…御了承いただけないと、社長本人と会っていただくことになります。」
「それは、出来ません。」
「なら、申し訳ありませんが、受け取っていただくしか…振込口座をお願いします。」
「分かりました。メールします。」と、松田さんにメールを送った。
『大変申し訳ありませんが、私、無知なもので、相場も分からないのですが、だいたいの相場を教えていただければ、助かります』
『社長は、2千万円で買い取りたい!とおっしゃっていました。』
「えー!」
「どした?」
スマホを見せる茉子
「えー!」
「それは、さすがに貰えないでしょう?」
「いや、色んな意味が込められてるのかもしれないよ。まあ、ヒットしてるのは事実みたいだし…ホントなら億かもよ。」
「そんな大金…」
『松田さん、さすがに大金過ぎて貰えないのですが…』
『では、交渉は社長自らということになってしまいます。』
『それは、もっと無理なので…分かりました。よろしくお願いします。』
『ご納得いただけて良かったです。では、書類の方にサインをいただきたいのですが…』
『分かりました。また、ご都合の良い日を教えていただければ、お伺いします』
松田さんの都合の良い日、凌也は、仕事で一緒には、行けそうにない。しかし、急ぐようなので、会社帰りに、智輝のマンションで松田さんと会うことに…
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