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それに…
そう言われて、全く気づかなかったわけではない。
でも、そんなことを言ってしまうと、友達関係が崩れると思っていたから…
この関係を崩したくなかったから、ずっと気付かないふりをしていた。
「そっかあ〜なんとなくね…でも、友達関係が楽しかったから…」
「そっか、なんか、ごめんな。」
「ううん、嬉しいよ。ちゃんと、女として見てもらえてたんだ。」
「もちろんだよ。」
なんとなく、トモキの目がウットリしていたから、
つい目線を逸らしてしまったマコ。
トモキも話を変える
「なあ、マコ!」
「ん?」
「俺らが初めて会話した時のことって覚えてる?」
「え〜いつだっけ?中1、もう12年も前だよ。覚えてないよ。」
「そっか、俺は覚えてる。」
「嘘!いつ?」
「一番最初のクラス委員になった時。」
「え?あ〜そう言えば一番最初だけは、先生から指名されてやらされたのよね?」
「そう!2人ともイヤがってて…」
「あ、そうだ!たまたま入学してすぐの試験の結果が良くて、無理矢理やらされたんだ!」
「そうそう、2人で、『たまたまだよね?』って言い合って笑った。」
「あ〜なんとなく思い出した。そうだったね。アレが最初だったんだ。」
「うん。それから一緒にクラス委員をするうちに、マコって真面目だし、面倒見がいいし、優しいから、すぐにクラスの人気者になった。」
「え〜そうなのかなぁ?友達は、たくさん出来たけど…」
「そうだよ。友達がたくさん出来ても、俺なんかとも話してくれて…」
「俺なんかって言わないでよ。トモキは、ずっと優しかったし、ずっと頼りにしてたよ。」
「でも、どんどん雲の上の存在になって行った。」
「そんなことないよ。ずっと変わらず友達だったでしょう?」
「そうだけど…俺は、ずっと好きだったから…やっぱり、付き合いたい!って思ってた。でも、今の俺じゃあ、マコに釣り合わない。だから、俺〜すごく頑張ったんだよ。マコのおかげで頑張れたんだよ。」
マコは、トモキの告白に嬉しさと戸惑いを隠せない。
まさか自分が、人の人生を変えた!なんて…
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