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「ありがとうございます、ありがとうございます、万結殿」
「呼び捨てでいいよ」
「……呼び捨て! その、わたし呼び捨てをしたことないもので……何だか恥ずかしいです」
人差し指同士をくっつけ合う志岐は、俯き加減に視線を反らした。
「……では万結。よろしくお願いします。
わたしの名も、呼び捨てで構いません」
「よろしく、志岐」
その後二人は、他愛もない話をした。
「そういえば志岐、何で私の名前を知ってたの?」
「あ、忘れていました!万結、学生証を落としていたんですよ!」
「……それで私の名前を知っていたんだね、ありがとう」
昨日、学生証をなくして、先生に叱られたんだっけ。良かった良かった。
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