真実というのは、----------

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            4.事件をおってみようと  この2つの事件の行きさつから江草刑事は、本当のこの事件の始まりが見えてきたので、すぐに埼玉の中央駅前のホテルを出て自宅マンションへ戻った。  翌朝、日曜日ではあるが、江戸橋区の若い男性の誘拐された現場から解放された江戸橋区の裏駐車場へ車で追跡してみた。何度か車で追跡しなおしても何も手掛かりはつかめなかった。消息を絶った沼津氏のマンションからもかなり距離もあり、江草刑事は、少しいら立ちを隠せなくなってきていた。江戸橋区役所の屋 上からも見渡せない誘拐現場でもあるし、誘拐現場は、非常に見通しの悪い場所でもあった。ふう、と江草刑事は大きなため息をついた。  しばらくしていると、警視庁の鑑識課の元同僚から埼玉県の誘拐事件の犯人と思われる被写体画像の分析依頼の結果の連絡が入った。分析の結果、4人のうち1人のデーターが類似点多く一致に近い結果が出たと鑑識課のベテラン作部刑事からの連絡だった。その1人とは、江戸橋区出身の傷害事件を起こしたことがある若い男性 木塚 文雄 だということだった。他の3人は、恐らく過去に事件を起こしていないためかデーターにないという結果だった。  日曜ということもあり、もう少しこの事件の解決に踏み込みたかったがこれ以上は、時間を無駄に費やすだけと江草刑事は、自宅マンションへ戻った。戻って明日からの捜査の予定の整理をし、近日の捜査状況を浅練署の猪飼副署長に送信していた。  翌日になり、朝早くから江戸橋署へ向かった。そして、捜査課の飯嶋課長と島波課長補佐からこの犯人と思われる木塚 文雄の情報収集の依頼をお願いした。2、3日かかるが、後日連絡し、データーを送信すると潔く返答して下さった。
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