真実というのは、----------

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           5.事件の始まりはなぜ  2時間ほど飯嶋課長と島波課長補佐がこの人質事件の発端となった現場検証の様子について語ってくれた。この人質になったのは、岐阜県から東京へ上京してきて、準大手の住宅メーカーへ新入社員で勤めたばかりの当時22才の男性であった。彼の話では、3日間もキャラバンに乗せられままでかなりの恐怖感で一杯で絶えず体が震えたまま生きた心地が無かったらしい。また、声も少ししか覚えてなく、まだ社会人も始まったばかりなので協力もかなり無理多く捜査困難と判断されたとのことだった。その中、必要最低限ではあるが彼の衣服と目隠しだけ預かっていた。人質事件は、ここ5年間でも数少なくなっており、また最近は進化した情報基幹ネットワークの共有で、この2つの事件の接点が犯人の粘着した体内DNAの一致という驚きの結果ではあった。それを聞いて江草刑事は、やはり捜査困難だったんだなとうなづきながら飯嶋課長とお互いに脅迫もない不思議な事件ですねと言いあっていた。  そして、江草刑事は、江戸橋署を出た。。車に乗り、3年前の人質事件と去年の年末の埼玉県での人質事件について、被写体映像から沼津氏以外の3人は、20代の若い男性ということから恐らく指導者は、沼津氏であると勝手に推測していた。さらに、埼玉県の時計台を思い出して犯行目的は不審なキャラバンの入手方法からも、一種の秘密結社を作りご自身の過去の警視庁本部勤務の時代の指示系統を憧れて初回はデモで2回目は、とうとう犯罪に走ってしまったのではと考えていた。
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