魔術のくつ

2/3
前へ
/78ページ
次へ
アイザック坊っちゃん、何を思ってそんな靴を履いたの…。 20才の姿絵を見せて貰ったけど…あまり興味ない。それに、はっきり言って好みじゃない。 私は王子が7才になったとしても痛くも痒くもないのよね。影でも何でもいるでしょ。 人前に立つのをその人にして、大人になったら交代すればいいのよ。いつまでも若くて綺麗な王子か王太子か国王、その時は何になってるか知らないけれど、女性は喜ぶだろうしね。 「君の事は一通り調べさせてもらった。」 「……何をですか?」 まずい… 「君には借金があるね。」 「…だから何ですか?」 そう、私には莫大な借金がある。父親が賭博でガッツリ負けたから。なんと保証人は子供の私にされていたのよ! 私は売られそうになったのを逃げて逃げて逃げまくって、簡単にいうと借金ふみたおしてるのである。いわゆる犯罪…。 「それを代わりに払おう。もうコソコソする事もなく生きていける。それに、結婚もアイザックの我が儘。正式な物ではない。」 「やります!」 正式じゃないって事は、終わりはあるって事だよね。借金なくなるんだしやるわ! 「魔法を解くまでは()()一緒にいてやってくれ。」 『必ず』って、 最後の最後に、それ言うの酷くない? 「はい…。」 としか答えようないよね…。
/78ページ

最初のコメントを投稿しよう!

225人が本棚に入れています
本棚に追加