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嫁と姑のはじまり
「あの人は私が気に入らないの」
「初対面の時に、息子には似合わないと言われた」
彼女は苦しそうに呟いた。
彼女は今、夫と姑の三人暮らし。
子供達は一人立ちし、家を出ている。
義母とは結婚当初から暮らしていたと聞いたので、結構な年数一緒にいるはず。
その彼女が、暗い顔をしていた。
どうしたの?
「叩いてしまった」
「お義母さんと喧嘩した」
若い時は、喧嘩も出来ないくらい義母が強く、家を切盛りしていたそうだ。
息子である夫は、お義母さんに頭が上がらなかったし、妻を庇うこともしなかった。
まるで空気のよう。
解らなくもないが、やっぱり間に入ろうよ~
それがここ最近義母の体調が悪く、認知もすすんで介護が必要になってきた。
力関係が逆転した。
嫁の天下!と、思いきや
彼女はとても苦しんでいた。
一生懸命、頑張った。
やっても、やっても、終わりが見えてこないお義母さんの世話。
周りの人から心ない言葉をもらい、傷ついていた。
何か言えよ、夫!(息子!)
彼女が疲れたように、言った。
「お義母さんが何かするたびに思い出して、自分を押さえきれないの。」
「わたしを嫁として受け入れてくれなかった」
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