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正直、明日を考えることが怖い。
君のいない未来を、この先を、一人で生きることが怖くて怖くて仕方がない。
けれど、そうだな…。
俺の土産をウキウキとした顔で待っている彼女を思い浮かべると、自然と頬は緩んでしまう。
明日は何か変わったことがあるだろうか。
未来には、君が目を丸くして驚くような出来事が待っているだろうか。
それならもう少し…。もう少しだけ、この世界を生きていく価値はあるのかもしれない。
もう少し…もう少しだけ…。
今度は俺が待っていてもらう番だ。
君のことを待つ時間は嫌いじゃなかった。恐らく君だってそうだろう。
もう少し、もう少しだけ。
たくさんのお土産を持って、いつか俺もそっちへいくから。
その時は二人笑顔で、たくさん話そう。たくさん笑おう。
君に伝えていないことが、まだたくさんあるから…。
《完》
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