キミのとなり、365日  

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キミのとなり、365日  

夏休みが明けて1ヶ月__。 秋の色が少しずつ風景を包み始めているのに、今朝はまだ夏かと思うほど暑い。 暑さに弱い彼は、きっと不機嫌な顔をしているに違いない。そんなことを考えながら玄関のドアを開けると、気怠そうにマンションの廊下の壁にもたれている幼なじみがいた。 「おはよう」 「おう....」 揃った挨拶は正反対のトーンで、なんだかおもしろい。予想通りの態度に小さく笑えば、面倒くさそうなため息が零された。 「陽ちゃん、ご機嫌ななめだね」 「クソ暑いときに笑えるか」 「私、前に乗ろうか?」 「お前のスピードだと遅刻するだろ。いいから、早く乗れ」 エレベーターを降りて自転車置場に着くと、陽ちゃんはさっさと自転車を出してサドルを誇った。「はーい」と笑った私が後ろに乗って彼に捕まると、自転車が動き出した。 ふたり乗りの自転車は、青空の下をゆっくり走る。たまに聞こえる「暑い」という独り言に何度か笑った後、学校が見えてきた。
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