キミのとなり、365日  

3/10
10人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
昼休みに弁当を食べていると、陽ちゃんからLINEがきた。 【委員会だから遅くなる】 【待ってるよ】 【先に帰ってろ】 私の希望はあっさり却下されてしまい、思わず眉を寄せていた。 来月に行われる文化祭の実行委員になった陽ちゃんは、夏休みが明けてからは特に忙しくて、最近は一緒に帰れる機会が減っていしまった。家までは徒歩でも15分もかからないけど、今日は一緒に帰れると思っていたからため息が零れる。 「なに?愛しの幼なじみくんから?」 「また委員会だって」 からかうような言い方には触れずに素直に落ち込んでいると、同情の視線を寄越された。「どんまい」と肩を叩かれるとますます気が減入って、再びため息が漏れた。 「最近、一緒に帰れてないんだけど」 「文化祭までちょっとだからね」 「文化祭なんて早く終わればいいのに......」 「素直なんだか素直じゃないんだか」 呆れた笑いには言い返す気にはなれなくて、気分が落ち込んでいくとわかっていながらもLINE画面を見つめていた。 午後の授業が始まっても身が入らなくて、いつにも増して数学がつまらなく感じたーー。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!