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メンバー集め編 クラン神業!
クランとは!
目的が一致した者同士で組むチームの事である。
クランバトルとは!
クラン同士でバトルを行い、ポイントを競いあうチーム戦であり、年に2回行われるボッバト最大級イベントである!
ちなみに、今年の1回目は既に終了している。
ただし!
参加条件があり、最低でも8人以上のメンバーが在籍しているクランでなければならない!
尚、クランバトル予選第1ステージは指定された金、土、日曜日に開催され、期間中に3戦行う事ができる。
3戦のバトルで獲得したポイント累計点をブロック事に競い合い、上位のチームは次のステージへ駒を進める事ができる。
また、バトラーは2戦までの参加制限があり、同じ選手が3試合出ることはできない。
唐突すぎて、唖然としてしまったが・・・まぁ、よりボッバトを楽しむならイベントに積極的に参加するのは良いと思う。
「あと5人は当てがあるんですか?」
猫さんのアバターがお手上げ的なエモートをする。
「無いんですね?次のクランバトルっていつからでしたっけ?」
サリーのアバターが親指を立ててグッジョブ!的なエモートをしているが、状況に合っているのか?
「1ヶ月後だお!」
全然、グッジョブと関係無いやん。1ヶ月あれば余裕的な意味か?
「1ヶ月で最低でも5人探すのか?まぁ、無理では無いとは思うけど・・・」
「大・丈・夫!サリーちゃんの攻略本だよ!」
聞き覚えのある売り文句は無視して、案を聞くことにした。
「fullteamで野良入れて、良い感じならスカウトするのだお!」
やべぇ、スゲー普通の事をドヤって言ってやがる。
「・・・前々から思ってたんだけどー!サリーちゃんって」
バカだよね。言ってやれ、猫さん。
「天才ですよねー!ナイスアイディア!」
今度は2人してグッジョブエモートしてる・・・バカ2人、脳内花畑かよ。
「まぁ、何か目的を持ってプレイするのは良い事だとは思うが・・・リーダーはサリーとして、クランの名前とかは決めてるのか?」
「えっ!?私がリーダーなの?」
「どうせサリーが言い出しっぺだろ?サポートはしっかりやるから、安心しろ」
急に黙りこんでしまったぞ?俺か猫さんがリーダーやると思ってたのか?
「なんだ、お前は俺や猫さんのサポートじゃ不安か?大丈夫、困った時は絶対に助けてやるから。ですよね、猫さん」
「モチのロンですよー!」
「絶対なんて・・・」
サリーが小さな声で何か呟いたが、良く聞こえなかった。
「それに、弱いヤツの言うことは聞きたくなーいってヤツもいるかも知れないだろ?力こそ、パワーって昔からの言い伝えもあるし」
「へへへっ、何それ?犬ドック的な?」
そんなこんなで、サリーがリーダーでサブリーダー2人は俺と猫さんになった。
まぁ・・・そもそも3人しかいないから、こうする他ないんだが。
「クラン名はどうする?」
「ん~では、サブリーダーに最初の指令を下す!クラン名を決めよ!」
クラン名かぁ~なかなか良いのが浮かばないな。
すると、猫さんのアバターが閃きエモート(電球みたいなのが出る)をした。
「KAMIWAZAなんて、どうですかー!」
「カミワザ・・・神業ってことですか?」
「サリーさんが和風の機体なので、クラン名も和風が良いかなーと!KAMIKAZE(神風)は玉砕イメージがあって個人的に好きじゃないんですが、KAMIWAZAって奇跡的って意味もあるんですよー!確か。奇跡を起こすクラン的なー!」
おぉ、なかなか縁起が良さそうなクラン名だ。
サリーも好きそうだし、良いんじゃないかな?
「・・・奇跡」
「どうした、なかなか良いクラン名だと思うぞ?」
「う、うん!私っぽくて良い感じだわ!猫さんのクラン名、採用!」
「あとは、クランの基本方針とか?勧誘の際に必要になるかもだし、なんかあるか?」
「えーと、クランのイベントには積極的に参加して・・・ゲームを楽しむ事をモットーに活動しよー!って感じでどう?」
「良いですねー!楽しみましょー!」
こうして、クランKAMIWAZAの楽しむ事をモットーにした活動がスタートした。
が、さっき色々あったせいもあり、どうも体の具合が悪い。
今日はシャワーでは無く、風呂に浸かって体をしっかり温めたほうが良いかも・・・なんか、風邪ひきそう。
「あ~これから、早速クランメンバー探しに行きたいところなんだが、どうも熱っぽくてな。すまんが、今日はログアウトするわ」
「えー!?マジ、シラけるんですけどー!」
ブーブー言ってるサリーを尻目に、猫さんにも詫びを入れる。
「すいません、せっかく待ってて貰ったのに」
「いえいえー!社会人は体が資本ですからー!ゆっくり休んで下さいね」
ログアウトして、熱を計ると・・・37.8度・・・微熱だな。
明日、休みで本当に良かった。
風呂に入り、飯を食って、市販の風邪薬を飲む。
少年ダンプと缶チューハイは、お預けだ。
それにしても、たかがゲームのフレンドになっただけでこんな目に遭うなんて、思いもよらなかったな。
過保護というか、イッちゃってるシスコンというか・・・でも、母親がアレだから妹は私が守らなきゃ的な使命感が強すぎるだけで、悪気がある訳では無いだろう。
スマホを見ながら、出来ればこっちから連絡することもあっちから連絡くることも無ければ良いな・・・と、思いながら眠りについた。
翌朝
っというか、昼すぎ。
普段、あまり薬を飲まないせいか眠気に抗えず2度寝、3度寝を繰り返し気がついたら正午。
熱は・・・37度ジャストか。平熱よりは高いが、下がっているなら経過は良好ってやつだろう。
食欲もあるし、適当にカップ麺食って少年ダンプ読んでゴロゴロするか。
ゴロゴロ・・・ヤバい、新機体の改修全然進んでないわ。
頭の中では、ぼんやりイメージは出来ている。
後は形にするだけ・・・なんだが、いまいち降りてこない。
とりあえず、ボッバトにログインするか。
流石に誰もいないな・・・サリーも学校かな?
ん・・・未読メールが何件かあるが、誰からだろう。
全部サリーからだ・・・なんか、画像添付してあるが見てみると、風邪をひいた時のオススメ食品とか、風邪ひいたらやるべき事がリストアップされている。
全く、余計なお世話しやがって・・・風邪気味だから目から鼻水が垂れてきやがる。
良い子だよな、サリーは。
フレンドとして、これからも大切にしよう。
そして、ひとまず恐怖のシスコン姉ちゃんは忘れよう。
さて、気を取り直して機体改修だ。
HSR装備時のバランス調整・・・武装容量に合わせたサブウエポンのチョイス・・・そう言えば、まだ確認していない差し替えパーツがあったな。
数時間、ひたすら改修作業を行い、ようやくサンプルが完成した。
「かなりピーキーだが、瞬間火力、カバー力、移動能力は理想に近いぞ!使いこなせれば、の話だが」
後は、どう弱点をカバーするか・・・だな。
短所を長所にできないだろうか?もっと発想を柔軟に・・・絶対にNGって事は無いんだ、武器やパーツの数だけ可能性が広がっている。
「このタイプで、軽量かつ威力が高い武器は・・・あるじゃないか、ならブースターの調整は・・・」
もしかしたら、俺はとんでもない機体を作り出そうとしているのでは?
って、機体改修中のプレイヤーなら皆、そう思ってるに違いないのだが。
チョット一息、せっかくだからサリーのリストに載っていたインスタントのスープをコンビニで購入して、また改修作業。
良し、これはもう新機体だ。名前も変えよう・・・ゲイボルグの兄弟機だから、やはりクー・フーリン所縁の武器が良いな。
そうだ、機体名は『デルフリス』にしよう。
クー・フーリンの武器にデル・フリスというモノがある。妙技を見せる投げ矢、槍、魔杖など解釈があやふやな武器・・・或いは、その全てに変化する武器だったのかも知れない。
俺はこの中で妙技を見せる投げ矢のイメージをとることにした。
激しい戦いの最中、クー・フーリンは人の姿では無くなるという伝説もある。
異形、恐怖を与えるイメージ・・・色合いも一新させた。
探し求めていたモノが見つかった、そんな感覚に手が震える。
更に演習場で数時間過ごし、操作性を把握した後、エディットを開始。
今回は極秘に開発した新機体という自分設定なので、タツヤの力は借りずデザイン変更も自力でやった。
見た目は大事だからな。
さて、御披露目はいつにしようか・・・サリーや猫さんの驚く顔が見ものだ。
それにしても、サリーが教えてくれたスープ美味いな。
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