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ソレは第一印象最悪だった。
あ・・・ヨダレやばい。
やらかしたなぁ・・・寝落ちしちまった。
フレンドからのチーム招待通知が数件きているが、既に皆ログアウトしている。
初日から出遅れたか・・・既に朝の2時半を過ぎているし、このまま待っていても誰もログインしないだろう。
招待を送ってくれたフレンドに「寝落ちしてました。また誘って下さい」と返信メールを送り、fullteamプレイを選択する。
チームを組んでいない状態で入ると、同じくチームを組んでいないバトラーたちと自動的にマッチングしてくれるので1人でもfullteamプレイは可能だ。
こういったプレイは野良プレイとかフリープレイとかと言われている。
だが、お互いに初めてプレイするメンバーだと連携も取りづらいし、ハナからチームプレイをする気が無いバトラーだと1人でマップの違う場所に降下したりもする。
だいたい、そういうバトラーは激戦区に降りて即撃破されてチームを離脱するパターンが多い。
稀に腕が立つバトラーが大量撃破して生き残ることもあるが、逆に人数不利で3対4のファイトになってチームプレイを重んじるバトラーたちが先に撃破されるなんてケースもあったりする。
チームプレイが嫌なら、最初からソロでやれば良いのにと思うが・・・それなりに理由があるのかも知れない。
まぁ、これはこのゲームに関わらずオンラインバトロワゲームあるあるの1つだろう。
マッチングされたメンバーはプレイ開始のインターバル(約40秒)の間は待機所でお互いの機体をチェックしたり、相性を合わせられるように武器を変更したりもできる。
ボイスチャットも可能なので、コミュニケーションをとっておくことも重要だ。
訳合ってボイスチャットができないプレイヤーもチャットを打ち込むことで意志疎通は可能だが、ボイスチャットの方がより円滑に事を運べる。
メンバーが選定されたら、とりあえず挨拶をしておくのが基本中の基本。
「宜しくお願いします。軽量タイプ、アサルトライフルと※マークスマンライフル使ってます。サポート装備はスモーク弾です」
※狙撃銃のうち、突撃銃としても使用可能な銃器。ボッバトではアサルトライフルより単発の威力が高いタップ撃ちで15発まで連続発射できる銃器。射程距離とスコープ倍率が高い。
ボッバトのボットはタイプによって性能が異なり、戦闘スタイルも変わってくる。
汎用タイプは移動速度、耐久値、エネルギー出力、武装容量のバランスが良く初心者から上級者まで広く愛用されているタイプで、特長が無いのが特長だ。
各タイプに専用のスキルがあり、汎用タイプの場合は1試合に1度だけ、輸送機を呼び出して武器等を受け取る事が可能。
輸送機から受けとる補給物資は、あらかじめプレイヤーが決めておくことができるので戦況に応じた立ち回りができる・・・かも知れない。
軽量タイプは移動速度とエネルギー出力が高く、耐久値と武装容量が低い。
耐久値が低いので、汎用タイプなら耐えられる攻撃でも撃破されたり武装容量が低いので装備できる武器が限られている。
できるだけ被弾しないように立ち回らなければならないので、接近戦は避けるのがセオリーだ。
なので、軽量タイプは特にブースターを多様する傾向にある。
ブースターは使用するとブースト状態となり、一方向に素早く動いたりジャンプ中に使うと空中での滞空時間を長くしたり空中で方向転換したりできるので、初心者は出来るだけ早くブースターを使いこなせるようになるのが最初の課題となる。
そして、フルブーストという一定時間ブースターのチャージを無効にして速度をアップさせるスキルがある。
ブースターを使用すると、使用した分に応じたチャージタイムが発生するので連続使用できないがフルブースト中は常にブースト状態で活動可能となる。
ただし、効果が切れると機体から煙が出て暫くの間はブースターを使用できなくなるデメリットがある。
格闘タイプは移動速度は汎用タイプと同じで、ブースターの推進力が高い。(真っ直ぐ進む時だけ速い)基本耐久値と武装容量は汎用タイプよりもやや低く、軽量タイプよりは高い。
ここまでの説明だと、パッとしない印象だろうが格闘タイプは人気がありロボット好きにはたまらないスキルが搭載されている。
それは接近戦闘時に機体性能が向上し、攻撃力アップ、ダメージ軽減、移動速度がアップするという内容でバトラーにも分かりやすく、赤や青の炎を纏ったようなエフェクトが発生する。
ちなみに、色々なカラーをチョイスできる。
エフェクトの仕様は数年前までは無く、人によっては「スキル発動中が敵に知られるのは不利だ」と異論を唱えるバトラーもいたが多くのバトラーからは「カッコ良いからOK」と受け入れられている。
俺は軽量タイプなので、格闘タイプが光り出したら全力で逃げる・・・と、言っても上手いプレイヤーからは逃げ切れない事が多いので近づかせないようにするのが得策だ。
うっかり間合いに入ってしまうと、瞬殺されるので遮蔽物密集地帯でのクリアリング(敵が潜んでいないか)は怠らないようにしたい。
恐ろしいのが、息を潜めて待ち伏せしている格闘タイプで通称芋格闘と呼ばれている。
他のゲームでもそうだが、同じ場所から動かなかったり、潜伏しているプレイヤーを芋と蔑称するのだが・・・個人的にはそれも戦略の1つだと思っているので悪く言ったりはしないように心掛けてはいる。
が、実際にやられるとホラーゲーム級の絶叫は免れない。
まだまだタイプはあり、面白いのは奇襲タイプ。
奇襲タイプは基本性能全般がやや低い代わりに武装容量が高く、専用武装なんかもある。
サポート装備を沢山積める事ができ、特殊スキルに一定時間機体の色を背後の遮蔽物や地面の色と近い色に変更できる迷彩と地面に穴を掘って隠れたり移動するスキルがある。
一見すると強力なスキルだが迷彩は良くみればわかるレベルでうっかり迷彩のまま違う場所に移動すると逆に目立って見つかったりもする。
穴堀も一定時間のみ有効となっており、穴堀中に時間が過ぎると機体が地中から出られなくなり自爆してしまう。
最後の機体が見つからないと思ったら、勝手に自爆して試合終了なんてこともあったりする。
穴を掘って移動する距離も限界があり、地中から銃撃したりはできないのでスキル発動時間を計算しながら立ち回らなければならない。
上級者向けかつ、心理戦に長けたバトラー専用機って感じだ。
次に重装タイプ、このタイプも人気があり移動速度が低い代わりに耐久値と武装容量が高い。
重装タイプはブーストして移動できる距離が短いので、敵機を追うことが非常に難しい上級者向けの機体だ。
その代わり、軽量タイプでは到底装備できないミサイルポッドやキャノン砲、ガトリング砲など武器は選びたい放題だ。
重装タイプを使っているバトラーは、だいたい新しい武器がリリースされると手を出しがちなので課金勢が多い。
また、スキルがカッコ良く一定時間前方に光る遮蔽物(バリアー)を作り出し、ほとんどの攻撃を遮断してくれる。
絶体絶命のピンチの時に、これをやってもらえるとマジで惚れる。
バリアー使用後は、防御性能が低下し一定時間ブースターが使えなくなるので僚機のサポートが無いとタコ殴りにされる。
最後は無足タイプだが、このタイプは最近リリースされたばかりだ。
足が無いので機体が常に宙を浮いており、基本動作のしゃがむアクションはできないが、代わりに機体が変形して伏せるような動きができる。
本来、ボッバトの武器を装備する箇所は左右腕と左右バックパックのみだが、無足タイプに関しては足の変わりについているホバークラフトみたいなパーツから攻撃用のサポート装備を射出する事が可能。
バックパックから手榴弾やスモーク弾を取り出してから投げるよりも、素早く行動できるようだ。
移動速度は汎用タイプより遅く、重装タイプよりは速い。耐久値は格闘タイプとほぼ同じたが、近接補正は当然無い。武装容量は奇襲タイプと同じくらいで、意外と高い。
注目すべき点は、エネルギー放出力が高い事だ。
ブースト時の移動距離も長いので、回避が楽になるかも知れない。
特殊スキルが2種類あり、出撃時にどちらか選ぶ事ができる。
1つはリバイブサポートで、撃破された僚機を1試合に1度だけ戦線復帰させる事ができるのだが、復活した機体はブースター以外の基本性能が低下した状態での復活となる。
もう1つは腕を伸ばすという、なかなかトリッキーなスキルで腕だけ伸ばして敵を攻撃できるのだが腕を伸ばしている間は移動ができない。
このゲームは腕に個別耐久値があり、腕を破壊されたら使えなくなる武器もあるのでリスクも高い気がする。
無足タイプはこれからNewtube配信者とかが研究を進めれば、もしかしたら化けるかも知れない。
僚機は俺と同じ軽量タイプと汎用タイプに格闘タイプか・・・まぁ、バランス的には悪く無い。
チャットで「宜しくお願いします」と、軽量タイプの人から返事がくる。
「はーい、宜しくお願いします」
汎用タイプの男性バトラーからもボイスチャットで挨拶が返ってきた。
「足引っ張るなよ、三下ども!」
格闘タイプは・・・ボイスチェンジ機能を使っているのかぁ~しかも、高圧的なキャラ。
俺の偏見かも知れないが、ボイスチェンジ使ってるヤツはだいたい変人なんだよな。
「とりあえず、※プロフで武器構成確認して良いですか?」
※プロフィールの略。バトラーランクや機体、武器構成の確認等ができる。
格闘タイプは無視して、話を進める事にしたが・・・格闘タイプのヤロー、プロフ非公開にしてやがる。
面倒臭いヤツと同じチームになっちまったなぁ~先行き不安しか無いんだが?
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