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秋彪と三人でバーの前まで来て、「僕、初めて来た」とワクワクしていると、「今日は客が多そうだぞ?」と秋彪に言われ、まだ夕方なのに?と扉を開ける。
「いらっしゃいませ」
声をかけてくれたのは漆黒の髪に長身。
パーカーにジーンズとラフな格好をしている男性。
「よう。結月さんいる?」
「今接客中ですのでこちらにかけてお待ちください。車椅子の坊ちゃんはこちらに」
カウンターの椅子を一つずらしてスペースを作ってくれたのでお礼を言い、航平に誰?と聞くと、ここの店長でニコルさんと言うらしい。
「あの、奏太さんは……」
「中にいらっしゃいますよ。お知り合いでしたか」
航平が従兄弟の雪翔で冬弥の息子と話してくれたので、なぜだか余計に緊張する。
しかも、周りからの視線が……
「コーラでいいですか?」
「あ、はい」
「俺にもくれ。それと、那智のツケの支払いと、このメモの物貰って来いって言われた」
紙を見て、一旦奥の扉の方に行ったが、すぐに用意できるとの事で待つこと数分。
「中にどうぞ」
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