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ハタキでまずは上から埃を落とすというので、その間に自分の部屋を掃除する。
と言っても作り付けの本棚を拭いたり、床掃除をしたらベッドとリラックスチェア以外何も無い。
「終わっちゃった……」
「壁一面本棚だから物が無いように見えるけど、クローゼットはどうする？」
「それがね、僕の服って那智さんが持ってきて、定期的に那智さんの狐ちゃんが入れ替えて行ってくれるからすること何もなくって」
航平がガラッと扉を開け一言。
「1年分はかかってる……」
「航平ちゃんは下宿だけど、那智さんの家に服たくさんあるでしょ？」
「たまに向こうから持ってくるよ。隆弘さんみたいに最後の一年は事務所でバイトするつもりだから動きやすい感じのスーツにしてもらったけど」
「航平ちゃんのスーツ……」
「頭の色がこんなだから似合わないよ」
「今度見せてね」
そう言って部屋から順に拭いていこうと、バケツに水を汲んで雑巾を絞り、航平は窓。自分は床を拭いていきながら廊下に出てだんだんとリビングに進んでいく。
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