大掃除

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二人が寸胴鍋をひっくり返して洗っている間に、大きな風呂敷を担いできたのが秋風神社の秋彪と冬風神社の玲の兄弟。 「お、やってるな!」 「その風呂敷どうしたの?」 「じっちゃんからの預かり物。向こうのテーブルに置いておく」 と秋彪が先ず逃げ、その後逃げようとした玲が「力持ちなんですからこの鍋干してきてください」とこき使われる。 「やっぱりか。嫌な予感はしてたんだ」 「ほらほら、あなた達もここでご飯食べてるんですから手伝う!秋彪はモップで食堂拭いてください。雪翔は栞さん呼んできてください。航平は窓拭き!はい、始め!」 栞さんと厨房に行くと、那智がドカッと椅子に座り、割烹着を脱ぎ出したのを冬弥が止め、それを笑って見ている秋彪兄弟。 「お前らもこれ着てみろ!」 「絶対に嫌だ」と言っている後ろから、「よく似合っているではないか那智」と祖父の声。 「おじいちゃん!」 「掃除はもう終わったのか?」 「ほとんど。お爺ちゃんいつまで居られるの?」 「こちらで正月を過ごそうと思ってな。婆さんと周太郎達はもうすぐ来る。ほれ、土産じゃ」
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