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「しーちゃん、何してたの?」
「影の中のお部屋をお掃除してました。漆様たちが何もしてくれないので、桜狐がみんなに指示していて怖くってですね……」
「そ、そうなんだ」
「誰が怖いですって?」
「桜狐ちゃん……」
「ごめんなさいなのですぅぅぅ」
「あ、漆様と琥珀様からこれをお二人にと」
渡されたのはお守り。
「ありがとう。でも、これって……いつものと違うような」
「漆様と琥珀様の気が入ってます。お守り袋は琥珀様が刺繍をして、漆様が縫われました」
「え?」
「想像つかない……」
「桜狐、バラすんじゃないよ!」
「げっ!で、では戻りますねー」
そうそうに逃げた桜狐を追いかけて行った琥珀も珍しいなぁと思いながら、留守番組で航平と祖父は将棋。他のみんなでボードゲームをし、買い物組が帰宅したのは夕方。
栞が侑弥をよろしく!と渡してくるので、ポカーンとみていると、祖母と栞、冬弥で煮物などを大量に作り始める。
袋を見るとブリが大量に入っていたので、明日は塩焼きかな?と航平と話していると、「雪翔、航平と秋彪と使いに行ってきてくれ」と財布を渡される。
「どこに?」
「あー、その、天満堂にだな……」
「ツケか!絶対にツケだろ!怖いから俺は嫌だぞ?」
「じゃあ、玲……」
「自分で行けよ」
「まぁ、そう言わずに。ついでに貰ってきて欲しいものもある」と姿を消す。
「逃げた……」
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