4・元カレとの再会

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「では失礼します」  会社の玄関口まで見送ってくれた宗一郎さんに挨拶をして、そのまま立ち去ろうとしたとき、 「かり、あ、いや、辻本さん」と声をかけられた。  わたしは振り返った。 「はい?」 「いや……えーと」  とっさに声をかけてしまったという感じで、宗一郎さんはなんと言えばいいか考えあぐねていた。  この状況にいち早く反応したのは部長だった。 「先に行っている」  そう言うと、宗一郎さんに会釈して、ポケットに片手をつっこみ、駅に向かって歩きだした。
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