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束砂さんと五丁目さんのばーすでぃちょっと前♪
翡翠くんが生まれた日、そして瑠璃くんが誘拐犯を撃退した日、さらに瑠璃くんと薫蘭風ちゃんが付き合い出した日、病室で翡翠くんを囲むメンバーに伊織先生が小さな声で言った。
「せっかくおめでた続きの日だ。この勢いで束砂さんと五丁目さんのバースディパーティーをやろう」
「へ?」
「え?」
束砂さんも五丁目さんも目を丸くする。
「では全員取りかかれ。瑠璃と親父さんと束砂さんと五丁目さんはここで翡翠くんを見ていていい。準備が整い次第連絡する」
伊織先生は翡翠くんを起こさないように小さな声で言ったあとメンバーはそれぞれ出ていった。
「色んなことあったのに、バースディパーティーまで打ち込むなんて欲張りすぎです」
束砂さんは、翡翠くんのほっぺに指を当てる。ぷにぷに。
「いいんじゃないかな? そうやってみんながめでたいことに一生懸命になるなら、俺は今日という日を翡翠に胸張って自慢できるし」
「瑠璃くんももうお兄ちゃんですな」
五丁目さんが、フワッと笑う。
親父さんは瑠璃くんのお母さんの肩を擦っている。
「でも、親父、なんで怒られないの? 生まれるときは必ず母さんの側にいるって言ってたくせに」
瑠璃くんのその問いに答えたのは瑠璃くんのお母さんだ。
「当たり前でしょ。瑠璃がピンチのときにのんびり私の出産待つ方を選んだら私がぶっ飛ばしてるから」
「いい家族です」
束砂さんは、うんうんと頷いた。
束砂さんと五丁目さんと瑠璃くんは連絡が来るまで翡翠くんと一緒にいた。親父さんは、一応産後の瑠璃くんのお母さんの体調を気遣ってバースディパーティーには不参加とのことだ。
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