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第一章 アルカナム
眩しい朝日がガラスの窓から差し込む。その眩い朝日に照らされたベッドに寝ている1人の男が目覚める。
男が身動ぎをすることで男のさらさらなアクアブルーの髪が揺れる。上半身を起こした男は髪と同じアクアブルーのふさふさな睫毛をふるりと震わせ、ゆっくりと瞼を開いた。開かれた瞳の色は──輝く様な黄金色だった。
男の名はアルカナム。3000年前、魔物の襲来で危機に瀕していたブレイヴ王国を救った──勇者である。
3000年前── 魔物を撃退し、その魔物を扇動していた魔族を倒した勇者アルカナムは勇者の称号を自分から仲間のカリアスに押し付け、とある山に引きこもってしまった。王国が危機に瀕した時に、また手を貸すと言う約束をして。その時の王はアルカナムに王国が危機に瀕している時だけでは無く、偶には息抜きとして顔でも出しなさいと言って山に向かうアルカナムを見送った。
「ふぁ…3000年も経ったし、王国に下りてみようかな」
アルカナムは魔物扇動の魔族を倒した時、神からとある祝福を受け、不老不死の身体になっていた。その為、時間感覚がおかしいのだ。その為偶に、の感覚が長い。そのせいで3000年と言う時が経ってしまったのだ。
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